香港M+美術館(エムプラス)完全ガイド|アクセス・見どころ・チケット料金・建築の魅力

香港M+美術館(エムプラス)完全ガイド|アクセス・見どころ・チケット料金・建築の魅力
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香港旅行で今注目のスポットといえば、2010年代後半から開発が進む西九龍文化区(West Kowloon Cultural District)です

西九龍文化区(West Kowloon Cultural District)

その中心的存在として2021年11月に開館したのが「M+美術館(エムプラス / M+ Museum)」。夜景で有名な香港にまた一つ新たなランドマークが誕生し、現地でも連日話題になっています。

M+美術館(エムプラス / M+ Museum)
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アジア初のグローバルなビジュアル・カルチャー美術館として、美術・デザイン・建築・映像など20~21世紀の多様な作品を所蔵・展示し、開館以来国内外のアートファンを熱狂させています。

本記事では、香港M+美術館の魅力を徹底解説します。

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アクセス方法や館内の見どころ、唯一無二の建築デザイン、企画展・常設展の内容、館内施設(カフェ・レストラン・ショップ)情報、チケット料金とお得な購入方法、訪問時の注意点やFAQまで網羅しましたにゃ。ちなみに一番おすすめのチケットは以下にゃ。記事内でも詳細に説明はするにゃ

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それではさっそく見ていきましょう!

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目次

M+美術館とは?アジア初のビジュアル文化ミュージアム

香港M+美術館(以下、M+)は、2021年11月に開館した西九龍文化区の大型美術館です。

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総床面積は約65,000㎡(東京ドーム約1.4個分)にもおよぶアジア最大級の文化施設で、33の展示室に加え映画館(シネマ)やライブラリー、レストラン、ショップ、ビクトリア・ハーバーを一望できる屋上庭園などを備えています。

展示スペースだけでも17,000㎡と桁違いのスケールで、これはロンドンのテート・モダンやニューヨーク近代美術館(MoMA)にも匹敵する規模です。展示内容は20~21世紀の「ビジュアル・カルチャー(視覚文化)」全般

絵画や彫刻といった美術作品のみならず、建築モデルやプロダクトデザイン、映像インスタレーション、グラフィックや写真、さらには香港のネオン看板やポップカルチャー資料まで網羅している点が特徴です。まさに“Museum and more”——「美術館以上の美術館」を目指すコンセプトが名称「M+」に込められています。

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M+は伝統的な美術館とは一味違うにゃ。20世紀以降の視覚文化すべてを扱うから、美術・デザイン・建築・映像などジャンル横断的なコレクションになっているにゃ。西洋中心ではなくアジア視点を重視し、香港を含むアジア各地の優れた作品を体系的に収集しているのも特徴なんだにゃ。

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へぇ~!つまりアートだけじゃなく建築模型とか昔の携帯ゲームとかも展示されてるってこと?それなら私みたいなアート初心者でも楽しめそうで超いいじゃん!

M+は香港特別行政区政府が西九龍文化区に建設した旗艦施設で、建設費用約49億香港ドルを投じたビッグプロジェクトです。2015年に着工し当初は2017年開館予定でしたが、施工上の遅れやパンデミックの影響で数度延期され、満を持して2021年11月12日に一般公開されました。開館当初は1年間ほど入場無料期間が設けられ、2022年11月以降からチケット制(有料)になっています。香港では中国の歴史美術を扱う「香港故宮文化博物館」も2022年にオープンしましたが、M+はより現代的で先鋭的なアートの発信拠点として位置づけられ、今や香港観光で欠かせないスポットとなりました。

基本情報まとめ

後述するアクセスや営業時間など、M+美術館の基本情報を以下の表に整理しました。

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項目内容
名称M+(エムプラス)Hong Kong Museum of Visual Culture
所在地香港 九龍(カオルーン)西九文化区 博物館道38号
アクセスMTR九龍駅(Kowloon Station)から徒歩約10分(詳細は後述)MTR柯士甸駅(Austin Station)から徒歩約10~15分
開館時間火~木曜・土日祝 10:00~18:00金曜 10:00~22:00(ナイトミュージアム)※最終入場は閉館30分前
休館日毎週月曜日(祝日と重なる場合も休館)
入場料一般120香港ドル(約¥2,200)学生・7~11歳・60歳以上・障がい者等は60香港ドル6歳以下は無料※特別企画展は別途チケット必要(例:企画展+常設展セット240香港ドル)
公式サイトM+ Official Website(英語)

M+美術館へのアクセス方法

続いて、M+美術館への行き方・アクセスを詳しく解説します。

M+は西九龍(ウェストカオルーン)文化区内に位置しており、最寄り駅から徒歩圏ですが、少し道順が分かりにくいとの声もあります。迷わずスムーズに辿り着けるよう、主要なアクセス方法を押さえておきましょう。

MTR(電車)でのアクセス

香港の地下鉄MTRを利用する場合、九龍駅(Kowloon Station)または柯士甸駅(Austin Station)が最寄りです。

  • 九龍駅から徒歩(所要約10分):九龍駅で下車し、出口E4またはE5を利用します。駅から大型商業施設「エレメンツ(ELEMENTS)」に直結しているので、館内の案内表示に従い「藝術廣場天橋(Artist Square Bridge)」方面へ向かいましょう。エレメンツ2階の端にある連絡橋「アーティスト・スクエア・ブリッジ」を渡ると西九文化区に入れます。
エレメンツ2階の端にある連絡橋「アーティスト・スクエア・ブリッジ」
  • 橋を渡った先のビル「WKCDA Tower」を通り抜け、連絡通路を進めばM+建物に到着です。天橋を含めて屋根付き通路が整備されているため、天候を気にせずアクセスできます。

補足: 九龍駅から地上ルートで向かう場合は出口C1またはD1から出て、地上1階に上がってください。その後、案内板に沿って博物館方面(M+)へ向かうことも可能です(所要約10分)。

  • 柯士甸駅から徒歩(所要約10~15分):エアポート・エクスプレス線との乗換駅である柯士甸(オースティン)駅からも歩いて行けます。出口Dを出たら柯士甸道西(Austin Road West)沿いの緑地空間を抜けて西九文化区方面へ直進します(約10分)。または出口B4/B5でエレメンツに出て九龍駅経由で天橋を渡るルート(約15分)でもOKです。多少遠回りになりますが、案内表示が多く迷いにくいメリットがあります。

MTR利用のポイント: 九龍駅から直接M+へ向かう途中には、同じ西九文化区内のスカイ100(ICC展望台)や香港故宮文化博物館など観光スポットもあるため、行きや帰りに立ち寄るプランもおすすめです。特にスカイ100は九龍駅直結の超高層ビルICCにあり、M+への連絡通路の途中に入口があります。観光で両方訪れるなら「九龍駅→スカイ100→連絡橋→M+」という順路にすると効率的です。

スカイ100(ICC展望台)

バス・ミニバスでのアクセス

香港市内バスで直接M+付近まで行くこともできます。博物館道(Museum Drive)に面したM+入口そばにバス停があり、以下の路線が停車します。

博物館道(Museum Drive)に面したM+入口そばにバス停
  • バス:「296D」系統(九龍東部からの路線)および城巴973番(香港島から※土日限定)が「博物館道」バス停に停車します。
  • バス(少し歩く路線):「215X」「261B」「281A」などは「柯士甸道西」停留所下車で徒歩5分程度。
  • ミニバス(小巴):九龍駅バスターミナル発着の文化巡回バスCX1(West Kowloon Shuttle Bus)がおすすめです。これは九龍駅E出口~西九文化区を結ぶ循環ミニバスで、M+正面の「博物館道」停留所で下車できます。その他、九龍駅発のミニバス「74/74S」系統や尖沙咀東発「77M」、土瓜湾発「26」も博物館道を経由します。

路線バスは本数や経路が限られるため、旅行者にはタクシー利用も便利です。

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尖沙咀エリアやジョーダン(佐敦)駅付近からタクシーなら、約15分・HK$30前後でM+のタクシー降車場まで行けます。荷物が多い場合や駅からの徒歩に不安があれば、積極的に活用しましょう。

無料シャトルバスの活用

西九龍文化区内の移動には、無料シャトルバスも運行されています。

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毎日9:30~19:30の間、15分間隔で「香港故宮文化博物館 ⇔ M+(B1階乗降所)⇔ 西九文化区西端入口」を巡回しており、誰でも無料で利用可能です。

たとえばM+見学後に同じエリアの香港故宮博物館へ移動したい場合、このシャトルに乗ればラクラクです。時間帯によっては満席の場合もありますが、文化区内を広く回れる便利な足として覚えておくと良いでしょう。

M+美術館の見どころ・鑑賞ハイライト

次に、M+美術館館内の主な見どころ(見学ハイライト)を紹介します。

現代アートからデザインプロダクト、建築モデル、映像作品まで幅広い展示があるM+ですが、日本人観光客の視点で特に注目したいポイントをピックアップしました。

懐かしの日本ポップカルチャー展示

M+の展示には日本のサブカルチャーにまつわる品々も多数含まれています。

入口近くでは、世界初の絵文字(Emoji)の歴史を紹介する映像インスタレーションが迎えてくれます。

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NTTドコモが開発した初代携帯電話用絵文字デザイン原画もパネル展示されており、日本発祥のEmojiがいかに世界に普及したかを実感できるでしょう。

他にも、90年代に日本で大流行した携帯ゲーム「たまごっち」の実機が展示されていたりと、日本人には思わず「懐かしい!」と声が出るようなポップな展示に出会えます。

伝説の寿司店《きよ友》の店丸ごと展示

M+でもっとも話題になっている展示の一つが、80年代東京・新橋に実在した寿司店「きよ友」の店舗丸ごと展示です。

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倉俣史朗氏がデザインし1988年開業した伝説的寿司店で、閉店後にM+が店舗一式を買い取り解体・香港へ移築しました。外観から暖簾、カウンターや調度品に至るまで当時のまま再現されており、店内に実際に入ることも可能です。

ミリ単位まで精巧に作られた倉俣デザイン空間をそのまま美術館で体験できるとあって、国内外の来館者に大人気のフォトスポットになっています。

日本のデザイン遺産が遠く香港で展示されている様子は、日本人にとって誇らしくも不思議な気持ちになることでしょう。

アジアの名作アート&香港ローカル文化

M+は香港・中国をはじめとするアジア現代美術の収集に力を入れており、館内では数々の著名作品に出会えます。

例えば、中国人アーティスト張暁剛(チャン・シャオガン)の代表作《血縁:大家庭 No.17》という絵画(無表情な4人家族を描いたシリーズの一つ)が展示されています。

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また、「九龍皇帝」こと曾灶財(Tsang Tsou-choi)が遺した巨大書作品(香港の街頭に独自の書を描き続けた人物として有名)の展示もあり、香港らしいローカル文化の一端を垣間見ることができます。

こうしたアジアの名作をまとめて観られるのはM+ならではです。

ユニークなデザイン・建築コレクション

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M+では建築模型やプロダクトデザインの展示も充実しています。他の美術館ではあまり見ないような日用品や工業製品、建築図面などが美術品として扱われているのもM+の特徴です。

例えば、日本が誇るソニーの初代「ウォークマン」が展示されていたり(横山いくこ主任キュレーターのセレクション)、香港の街角看板、各国のポスター、建築家のスケッチなど、「モノ」と「ビジュアル」に関わるあらゆる物品がコレクションに加わっています。

「美術の枠を超えた展示」によって、デザインや建築を通じた社会の変遷も楽しみながら学べるでしょう。

圧巻の映像インスタレーション

現代の視覚文化に欠かせない映像芸術もM+の見所です。

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館内では複数のプロジェクターやスクリーンを駆使した大型インスタレーション作品がいくつも上映・展示されています。

たとえばカラフルで幻想的なアニメーション作品であるKongkee(光啟)の《Flower in the Mirror》は、暗室空間で没入型の映像体験を提供してくれます。

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最新テクノロジーを駆使した映像アートは、アートに詳しくなくても純粋に「すごい!」と感じられる迫力があります。

多くの作品が音声や動きを伴うインタラクティブな展示になっているため、子ども連れでも飽きずに楽しめるでしょう。

屋上庭園からの絶景

展示にひと通り触れたら、ぜひ屋上のルーフガーデンにも上がってみてください。

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M+の屋上庭園は無料エリアとして開放されており、ビクトリア・ハーバーと香港島の高層ビル群を一望できる穴場の絶景スポットです。2階から外に出て階段やエレベーターで屋上へアクセスできるにゃ。

広々とした空と海を背景に、高層ビルの夜景が映える夕暮れ時の眺めは格別ですよ。ベンチもあるので歩き疲れたらひと休みしながら景色を楽しみましょう。

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M+ってアートもデザインも映像も全部入りなんだね!写真撮りたい場所もいっぱいありそう!

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その通りにゃ。館内には映えスポットもたくさんあるにゃ。例えばM+の巨大ロゴ看板前や、地下から2階に伸びる斜め天井の大空間、2階にあるおしゃれな螺旋階段、さらに屋上庭園や建物外側の階段状ベンチなんかが有名な撮影ポイントだにゃ。特にM+のロゴと一緒に写真を撮れば、SNS映え間違いなしにゃ。

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エントランスのところにある大きな“M+”のオブジェだよね?うんうん、絶対撮りたい!トイレ横の休憩スペースまで写真スポットって書いてあるのウケる~(笑)。 とにかく見どころ多すぎて一日中いても飽きなさそう!

M+美術館の建築の特徴~世界的建築家による話題のデザイン

M+美術館がここまで注目を集める理由の一つに、その建築デザインの素晴らしさがあります。

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M+の建物は、スイスの世界的建築事務所ヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron)が設計を手がけました。

ヘルツォーク&ド・ムーロンはロンドンのテート・モダン改修や東京・表参道のプラダ旗艦店などで知られるスター建築家ユニットです。

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M+では香港を拠点とする建築事務所TFPファレルズ、および構造設計のアラップと協働し、約10年前の2013年に行われた国際設計競技で数々の名だたる競合案を破って当選しました。

2015年の着工から6年を経て完成したその建物は、ユニークな形状と先端技術で訪れる人を驚かせています。

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まず建物は大きく分けて、低層の「水平部」と高層の「垂直部」の二つのボリュームで構成されています。水平部は地上から地下にかけて広がる横長の板状構造で、内部に広大な展示ギャラリー群が収まります。

一方、中央から突き出る垂直部は高さ約115mの細長い塔状で、こちらには図書館やオフィス、高級レストランなどが入っています。

外観を遠目に見ると、地表に横たわる長方形の上に一本の細い直方体が聳えており、まるでアルファベットの「T」を上下逆さにしたような独特のシルエットです。

この垂直部正面には巨大なLEDスクリーン壁面が組み込まれており、その大きさは縦66m×横110mにも及びます。夜になるとビクトリア・ハーバーに面したこの壁面いっぱいにアート映像が映し出され、香港の夜景に新たな輝きを添える演出となっています。

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このM+の建物、超デカくてなんか形も竹みたいだし、壁全面がスクリーンになっててヤバいね!どんなコンセプトで作られてるの?

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デザインしたヘルツォーク&ド・ムーロン曰く、セラミック製の外壁はアジアの伝統的素材である瓦を意識しているそうにゃ。

また、薄緑がかった陶板の質感が香港で日常的に目にする青々とした生い茂る竹を連想させ、“香港らしさ”を表現しているとも言われるにゃ。

実際、香港の街中でいまだに建設現場の足場に竹が使われている様子と、このM+の姿がシンクロして見えて、とても面白いんだにゃ。

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なるほど~。確かにちょっと黄緑っぽいタイルがびっしり張られてて、遠くから見ると竹林みたい!デザインにそんな意味があったんだ。

外装に使われている緑がかったパネルは光沢のある陶製タイル(セラミックパネル)で、均一に見える壁面にも微妙な陰影と素材感を与えています。

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実はこのセラミックパネル、ヨーロッパ(イタリア)で焼かれた特注品とのこと。香港伝統と最新技術の融合が外壁にも表れています。

また、M+は地下構造も特殊です。建物の地下には空港行きエクスプレス線などの鉄道トンネルが通っており、その制約を逆手にとってトンネル上部の地中を丸ごと大空間ギャラリー(「Found Space」などと呼ばれる)として活用しています。

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地下2階から地上へ吹き抜ける斜めの大きな天井窓(斜型天井)が特徴で、地下深くにいながら自然光が差し込むダイナミックな展示ホールが実現されているにゃ。

内部は打放しコンクリートの壁と相まって近未来的かつ開放的な雰囲気で、訪れた人はまずその広さに圧倒されるでしょう。

さらに注目すべきは、建築の随所に見られる細やかな配慮です。展示室はゆるやかに連続した動線で構成され、迷路のような複雑さを感じさせません。

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また、大階段状のグランドステア(Grand Stair)は単なる階段ではなく、腰掛けて休憩できる交流スペースやイベント開催も可能な多目的空間になっています。

この大階段やメディアテーク(閲覧室)、屋上庭園などはチケットなしで無料開放されているため、街の延長として人々が集える仕掛けにもなっています。美術館に求められる展示機能と公共空間としての機能を巧みに両立させた設計と言えるでしょう。

建物全体として、M+は「大胆さ繊細さ」を併せ持つ名建築です。香港のウォーターフロントという立地を生かし、ハーバー沿いに巨大な存在感を放ちながらも、内部に入れば人間に寄り添ったスムーズな空間体験が得られるよう工夫されています。

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建築好きな方はぜひ外観・内観ともじっくり観察してみてください。専門知識が無くても、きっと「あちこちに写真を撮りたくなる」「何だか居心地が良い」と感じることでしょう。

企画展・常設展の内容紹介

M+美術館では、館所蔵のコレクションを展示する常設展(General Admission展)と、期間限定の企画展(Special Exhibition)が並行して開催されています。

開館当初は6つのテーマ別展示でスタートし、その後も所蔵品の入れ替えや新テーマの企画展が次々と行われています。ここでは代表的な常設展示テーマと、最近の主な企画展例を簡単にご紹介します。

常設展の主な展示テーマ

  • Hong Kong: Here and Beyond(香港:ここから先へ) – 香港の1960年代から現代までの変遷を辿る展示。写真や映像、建築モデル、グラフィック作品などを通じて、香港の都市文化やアイデンティティを多角的に紹介します。香港ローカルのアートやデザインが豊富で、九龍皇帝の書作品などもこの枠で展示されました。
  • M+ Sigg Collection: From Revolution to Globalisation – スイス人コレクター、ウリ・シグ氏から寄贈された約1,500点に及ぶ中国現代美術コレクションを紹介する展示。文化大革命期から改革開放、グローバル化まで1970~2000年代の中国アートの流れを網羅しており、張暁剛ら中国著名アーティストの代表作に出会えます。定期的にテーマを変えながら「Siggコレクション展」として継続開催されています。
  • Individuals, Networks, Expressions – 第二次大戦後から現在に至る国際的な視覚芸術を、アジアの視点を交えて語る展示。絵画・彫刻はもちろん、パフォーマンスアートや社会的コンセプト作品なども含め、多様な個人表現とそれらの繋がりを見せています。欧米の有名現代アート作品とアジアの作品が並置されて展示されることもあり、新鮮な比較体験ができます。
  • Things, Spaces, Interactions(物件・空間・互動) – アジアおよび世界のデザインと建築に焦点を当てた展示。都市模型やプロダクトデザイン、インテリア、建築図面などが幅広く展示され、社会の中でデザインと空間が果たす役割を考えさせられる内容です。倉俣史朗デザインの寿司店「きよ友」もこの枠組みで展示され、大きな話題を呼びました。その他にも各国の家具や家電、香港の公共サインなど興味深い展示物が揃います。
  • その他の展示エリア:上記のほか、地下2階には「The Cabinet(キャビネット)」と呼ばれるオープン収納型の展示スペースがあり、所蔵品200点以上をまるで倉庫を覗き見るような形で公開しています。またM+メディアテークでは映像コレクションの一部を自由に視聴でき、館内3つのシネマでは特定プログラムの映画上映も行われます。Grand Stair(大階段)でも不定期にプロジェクション展示が実施されることがあり、まさに館内の至る所が展示空間と言えるでしょう。

最近の企画展トピックス

M+は国際的な大型企画展にも力を入れており、開館以来さまざまな特別展が開催されています。直近の例をいくつか挙げます。

  • 「畢加索──與亞洲對話」(Picasso for Asia – A Conversation) – 2025年3月から開催の話題企画展。パリのピカソ美術館から貸し出されたピカソの名作約60点と、M+所蔵のアジアの現代作家による関連作品80点以上を組み合わせ、「ピカソとアジア」の対話を試みるユニークな展覧会です。アジアの芸術家20名以上による作品と巨匠ピカソを並べることで、新しい角度からピカソの影響を探る内容となっています。
  • 「貝聿銘:人生如建築」 – 2023年末から2024年初めにかけて開催された特別展。世界的建築家イオ・ミン・ペイ(IM Pei)の業績を紹介する展覧会で、香港生まれの彼の人生と建築哲学を振り返りました。ペイ作品の図面や模型、写真などが展示され、建築ファンに好評を博しました。
  • 「M+ Sigg Collection: 別伝(Another Story)」 – 2023~2025年にかけて行われたシグ・コレクション展の第2弾。「From Revolution to Globalisation」に続き、中国現代美術の別の側面に焦点を当てた内容です。歴史に埋もれたエピソードや代替的視点からコレクションを再解釈する試みで、新たな作家や潮流の発見につながりました。
  • 「森村泰昌とシンディ・シャーマンの仮面の舞踏」 – こちらも近年開催された企画展で、日本の現代美術家・森村泰昌とアメリカの写真家・シンディ・シャーマンの作品を並べた二人展です。両者の初期代表作を通じて、「仮面」を使った自己表現やアイデンティティのテーマを浮き彫りにする内容でした。異なる文化圏のアーティストの共演が興味深い展示として話題になりました。

このようにM+では国内外の多彩な企画展が次々と登場します。訪れる時期によって観られる内容が異なるので、公式サイトの「Exhibitions(展覧)」ページで最新情報をチェックしましょう。

もちろん企画展チケットを購入すれば常設展エリアもあわせて鑑賞できますので、時間が許すなら両方しっかり見学するのがおすすめです。

館内施設(カフェ・レストラン・ショップなど)

M+美術館は、一日ゆったり過ごせるよう飲食施設やショップも充実しています。観覧の合間に休憩したり、お土産を購入したりできるスポットをまとめました。

ミュージアムショップ「M+ Shop」

1階ロビーにある「M+ショップ」は、美術館グッズや書籍を扱うミュージアムショップです。

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香港やアジアのアートに関する書籍・図録が充実しているほか、M+オリジナルデザインの雑貨やステーショナリー、ポスター、ポストカードなどお土産にもピッタリなアイテムが揃います。

ここでしか買えない限定品も多いので、美術館ファンなら立ち寄らずにいられません。「M+」のロゴ入りグッズや香港のデザインモチーフをあしらったグッズは記念に人気です。

ショップは入場チケットなしで利用可能なので、周辺に来たついでにショッピングだけすることもできます。

レストラン&カフェ

館内には趣向の異なる3つの飲食施設があり、用途に合わせて利用できます。

  • Mosu Hong Kong(モス・ホンコン):垂直棟3階(L3)屋上庭園に隣接する高級ダイニングレストランです。ソウルでミシュラン2つ星を獲得したレストラン「Mosu」の香港支店で、洗練されたコース料理を提供します。大きな窓からビクトリア湾と九龍の景色を望みながら食事でき、記念日や特別な夜におすすめです。営業時間は夕方~夜(18:00~0:00が中心、月曜定休)なので、観覧後のディナーにもぴったりです。人気店のため要予約
  • CURATOR Creative Café(キュレーター・クリエイティブ・カフェ):地下1階(B1)にあるカジュアルカフェ。こちらはアートプリント入りのラテなどクリエイティブなドリンクが名物で、軽食や香港風スナックも楽しめます。博物館をイメージしたオシャレ空間で休憩でき、港を眺めるテラス席もあります。M+の展示にちなんだ限定コラボメニューが登場することもあり、訪れる度に新しい発見があります。チケットなしで入れる場所にあるため、地元のカフェ利用客も多いようです。
  • CVIEW(シービュー):垂直棟の最上階近く、16階に位置する眺望抜群のレストラン&ラウンジです。店名どおりビクトリアハーバーの大パノラマビューが売りで、窓際席からの眺めは格別。中国語名「華(ワ)」とも呼ばれ、広東料理をベースにした創作メニューやアフタヌーンティーが楽しめます。ディナータイムには夜景を背景にワインやカクテルを嗜む大人の空間になります。観光客にも人気のスポットなので、こちらもできれば予約して訪れましょう。

その他の施設情報

  • M+ Cinema(シネマ):館内には計3つの映写ホールがあり、金~日の週末を中心に特別上映や映画プログラムが実施されます。アート系の映画や映像作品の上映、アーティストトーク付きのイベントなどが行われているので、興味があれば公式サイトのイベント情報を確認してみましょう(上映は有料の場合あり)。
  • ライブラリー / リサーチセンター:美術館上層部には研究図書センターも併設されており、所蔵作品や現代視覚文化に関する資料を閲覧できます。利用は予約制ですが、専門研究者でなくても事前申し込みすれば見学可能な場合があります。
  • メンバーズラウンジ(M+ Lounge):M+のメンバーシップ会員専用のラウンジも16階に設けられています。一般観光客は利用できませんが、もし長期滞在などで頻繁に訪れるなら年会費制の会員になる手もあります(ショップやカフェでの割引特典あり)。

チケット料金とお得な割引購入方法

続いて、M+美術館のチケット情報を解説します。料金区分や購入方法、そして日本からでも利用できる割引予約サービスについてまとめました。

チケット料金(税込み)

M+美術館の入場料は以下の通りです(2025年現在)。

  • 常設展・一般チケット(General Admission):HK$120(約¥2,200)
  • 常設展・コンセッション(優待):HK$60(約¥1,100)
    対象:7~11歳の子供、学生(要学生証)、60歳以上の高齢者、障がい者と同伴者1名、生活保護受給者等
  • 企画展チケット(Special Exhibition):HK$240(約¥4,400)
    ※企画展と常設展の両方に入場可。企画展チケット所持者は常設展エリアも追加料金なしで観覧できます。
  • 子供(6歳以下):無料

補足: 特別展チケットの料金は企画内容によって変動する可能性があります。通常は上記のように一般120ドル券にプラス料金で設定されますが、企画展ごとに価格が上下する場合もあります。

またM+メンバー会員になると常設展は無料、特別展も年間一定回まで無料招待や割引が受けられる特典があります。長期的に通う予定がある方はメンバーシップを検討しても良いでしょう。

チケットの購入方法

M+のチケットはオンラインで事前購入するのがおすすめです。当日現地で購入することも可能ですが、特に週末はチケットブースに行列ができて待ち時間が発生する場合があります。

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事前にスマホで予約してQRコード電子チケットを取得しておけば、スムーズに入場できます。オンライン予約には以下の方法があります。

  • 公式チケットサイト(Cityline):M+公式が委託するオンライン販売プラットフォームCitylineで、日時指定のチケットを購入できます。公式サイトの「Get Tickets」ボタンからアクセス可能です。支払いはクレジットカード等で香港ドル決済となります。
  • 旅行予約サイト(日本語対応):日本語で簡単に購入したい場合、「KKday」など大手旅行予約サイトでもM+入場券を取り扱っています。これらは日本発行のクレジットカードに対応し、場合によっては日本円決済も可能です。サイトによっては少額ですがオンライン割引価格が適用され、公式より安く買えることもあります。例えば2025年6月時点ではKKday日本語ページにて大人チケットがおおよそHK$110前後で販売されていました。
  • 他の販売チャネル:中国本土系のTrip.comや香港現地の旅行代理店サイトでも前売券が購入できます。香港故宮博物館とのセット券を販売している場合もあり、両方訪問予定ならセットで割引になるプランも要チェックです。

オンラインで購入すると、メールなどで送られてくるQRコードを当日入口で提示するだけで入場できます(紙に印刷したものでもスマホ画面でもOK)。

館内入口でスタッフがコードをスキャンし、入場手続きを行います。なお、当日券を現地購入する場合は1階ロビー左手のチケットカウンターへ。空いていればその場で買えますが、混雑時は希望の時間帯が売り切れることもあるので注意しましょう。

KKdayでお得に予約しよう

特に日本から旅行前にチケットを用意しておくなら、KKdayの活用がおすすめです。

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KKdayは日本語対応の海外オプショナルツアー予約サイトで、M+美術館の入場券も事前予約できます。使い方は簡単で、KKdayサイトで「香港 M+美術館 入場チケット」を検索・選択し、訪問日と枚数を指定してクレジット決済するだけです。

予約完了後に電子バウチャー(QRコード付き)を受け取れます。当日はそのQRコードを直接入口で見せれば入場OKです。

KKdayを利用するメリット

日本語で予約手続きが可能:言語の不安なく購入できます。

割引や特典がある場合も:時期によってキャンペーン価格になっていたり、KKday限定の特典が付くことがあります(例:館内カフェのドリンク券付き等)。

サポートが手厚い:万一トラブルがあった場合も、日本語カスタマーサポートに問い合わせできます。

実際にKKdayの香港M+チケットページを見てみると、「KKdayチケット提示で館内カフェのHK$68相当デザート無料サービス」といった期間限定プロモーションが掲載されていることもありました。

お得に楽しむチャンスなので、ぜひ活用してみてください。

訪問時の注意点・FAQ(よくある質問)

最後に、M+美術館を訪れる際に知っておきたい注意ポイントや疑問点をQ&A形式でまとめます。スムーズで快適な見学のために、事前にチェックしてください。

Q. 休館日や営業時間は? 金曜夜は遅くまで開いている?

A. M+の休館日は毎週月曜日です(祝日と重なる場合も休館)。火~木・土日祝は10時~18時、金曜日のみ22時まで延長開館しています。金曜夜は「M+ Night」と称した夜間イベントが行われることもあり、昼間と違った雰囲気を楽しめます。夕景~夜景を見ながら観覧したい方は金曜夜の来館がおすすめです。なお最終入場は閉館30分前なので、遅くとも金曜21:30、他日は17:30までに入館してください。

Q. 所要時間はどれくらい? 館内は広い?

A. 非常に広いです!展示室33室+αをすべて見るなら最低でも3時間以上は見積もりましょう。現地ガイドいわく「たっぷり時間を取って楽しんでください」とのこと。展示のボリュームが多いので、美術に興味がある方なら半日~丸一日いても飽きません。逆に時間が無い場合は、ハイライトだけ絞って2時間程度で回ることもできますが、余裕があればゆっくり回ることを強く推奨します。疲れたら途中でカフェ休憩や屋上庭園でのんびり景色を見るなど、適宜ペース配分すると良いでしょう。

Q. 写真撮影はOK?SNS映えスポットはどこ?

A. フラッシュなしの写真撮影は基本OKです。館内のほとんどの展示は撮影可能ですが、一部映像作品などで撮影禁止マークが出ている場合は従ってください。三脚やセルフィースティックの使用は禁止です。SNS映えスポットは先述の通り、館外のM+ロゴ看板前、地下階から見上げる大吹き抜け、2階の螺旋階段屋上庭園などが人気です。ユニークな展示を背景に写真を撮ってシェアする人も多いですよ。ただし作品至近での自撮りなど、他の鑑賞者の邪魔にならないようマナーは守りましょう。

Q. 手荷物を預ける場所はある?

A. ロッカー(コインロッカー)が館内に用意されています。大きな荷物やリュックは美術品にぶつけてしまう恐れがあるため、入場前に無料ロッカーに預けましょう。ロッカーカウンターは1階チケット売り場裏手にあり、スタッフに利用希望を伝えると腕時計型のキーを渡され、自分で荷物を入れる方式です。ロッカーはサイズごとに数百台あり、一時預かりは無料ですが長時間になると有料になるとの情報もあります(利用時に案内があります)。館内は広く歩く距離も長いため、余計な荷物を持たず身軽に動けるようにすると快適です。

Q. ベビーカーや車椅子での見学は可能?

A. はい、バリアフリー対応が施されています。館内はエレベーターやスロープで各フロア移動でき、車椅子利用者用トイレも完備。ベビーカーのまま入場も可能です(貸出ベビーカーも若干数あり)。展示室内も通路が広くとってあり段差もほぼないため、ベビーカーや車椅子でもストレスなく見学できます。授乳室は1階に設置されています。

Q. 日本語の音声ガイドや解説はある?

A. 展示のキャプション表示は基本的に英語・中国語(繁体字)です。残念ながら日本語表記はありませんが、作品名やアーティスト名はカタカナ表記(日本人の場合)も併記されていることがあります。音声ガイド端末の貸出は2025年時点では行われていません。ただしM+公式スマホアプリやウェブ上で英語・中国語の解説コンテンツが公開されているので、興味があれば事前にチェックすると理解が深まるでしょう。館内スタッフは英語を話せる方が多いので、質問があれば気軽に声をかけてみてください。

Q. 再入場はできる?

A. 原則としてチケット1枚につき当日1回限りの入場です。館内を出た後にもう一度入ること(再入場)はできないので注意してください。一通り見終わってからショップに立ち寄るなど、退出タイミングは計画的に。なおメンバー会員は特典として当日複数回の入退場が可能なプランもあるようです。

Q. 周辺に他の観光スポットはある?

A. はい、西九龍文化区自体が広大な文化エリアになっており、M+以外にも見どころがあります。徒歩圏内には香港故宮文化博物館(中国故宮博物院の名品を展示)や、ハーバー沿いの芸術公園(Art Park)、屋外ステージなどがあります。M+鑑賞後に時間があれば故宮博物館にも足を伸ばすと、香港の伝統と現代、両方のアートが楽しめる充実プランになるでしょう(故宮博物館は別途入場料HK$50~適用)。また、M+屋上庭園から見下ろせる西九龍海浜長廊(プロムナード)では、夕方以降にM+のLEDファサードに映し出される映像アートを遠目に眺めることもできます。夜景鑑賞の締めくくりにぜひ。

以上、香港M+美術館についてアクセス・見どころ・建築・施設・チケット情報を網羅してご紹介しました。

Lisa

香港旅行においてM+は、美術好きはもちろん、それほど詳しくない人でも楽しめるエンタメ性の高い美術館です。最先端のアートに触れたり、懐かしのデザインに驚いたり、壮大な建築空間に圧倒されたりと、ここでしか味わえない体験が待っています。

スチュアート

ぜひ次の香港旅行プランにM+美術館を組み込んで、「美術館以上」の刺激的なひとときを過ごしてみてください。きっと旅のハイライトになることでしょう!

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