【香港青春映画考察】『恋する惑星』あらすじ解説!よくわからない?怖い!と言われる理由は?キャストや曲・歌詞の魅力と配信情報

【香港青春映画考察】『恋する惑星』あらすじ解説!よくわからない?怖い!と言われる理由は?キャストや曲・歌詞の魅力と配信情報
Lisa

香港映画の金字塔とも言えるウォン・カーウァイ監督の『恋する惑星』(原題:重慶森林 / 英題:Chungking Express)は、公開から30年近く経った今も色褪せない不思議な魅力を放つ作品です。

スノーベル

香港に住んでいる身としては、蘭桂坊を通る度に「ここでフェイとトニーレオンは出会ったのか・・・」と不思議な感動を覚えるにゃ。(笑)

90年代半ば、日本でも「オシャレ好きは観ておかなきゃ」と言われたほど流行し、当時を青春とする映画ファンにとって特別な一本でした。

Lisa

実際、人気タレントのマツコ・デラックスさんも「『恋する惑星』は1つの青春」と語り、久々に見直して年月の経過に驚いたとテレビで明かしています。

世界的にも評価が高く、鬼才クエンティン・タランティーノ監督が本作に惚れ込み、アメリカで自ら配給に関わったほど。なぜこの香港の小さな恋愛映画がそこまで人々を魅了するのか?

スチュアート

一方で「意味がわからない」「つまらない」と感じる人がいるのも事実です。本記事ではあらすじから挿入曲の意味、作品の考察・解説、そして気になる配信状況やDVD情報まで網羅してご紹介します。

映画の舞台となった香港の空気感や、物語に散りばめられたエッセンスを紐解きながら、『恋する惑星』の魅力に迫っていきましょう。

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目次

『恋する惑星』のキャスト・登場人物一覧

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登場人物(役柄)キャスト(俳優)
警官223号(モウ刑事)金城武(カネシロ タケシ)
謎の金髪の女ブリジット・リン
警官663号トニー・レオン
フェイ(ファストフード店員)フェイ・ウォン
スチュワーデス(663号の元恋人)ヴァレリー・チョウ

※役名の番号は警察の認識番号。223号=モウ、663号=劇中633とも呼ばれます。

香港の名優トニー・レオン(梁朝偉)と当時新人だった歌手フェイ・ウォン、台湾の大スターだったブリジット・リン(金髪の女役)、さらに本作がきっかけで日本でもブレイクした金城武(モウ刑事役)らが出演しています。

スノーベル

俺たちの金城武!が出てるんよにゃあ。

でも、フェイがFF8のEyes On Meのフェイ・ウォンと気づいてまじビビしたにゃ。めちゃくちゃフェイの曲聴いて育ってたにゃ・・・

スチュアート

なんとなく年代バレて草

Lisa

キャストの組み合わせ自体も本作の大きな魅力であり、それぞれの演技や存在感が独特の化学反応を生み出しています!甘酸っぱくて私は大好きな作品です!

『恋する惑星』のあらすじ(ネタバレあり)

スチュアート

『恋する惑星』は2つの恋愛エピソードから成るオムニバス作品です。

前半と後半で登場人物も物語も異なりますが、いずれも香港・九龍の雑居ビル「重慶大厦(チョンキンマンション)」周辺と、「蘭桂坊(ランカイフォン)」にある24時間営業のファストフード店「ミッドナイト・エクスプレス」が舞台となり、同じ世界線で男女のすれ違う恋模様が描かれます。

『恋する惑星』の舞台となった重慶大厦(チョンキンマンション)

それでは、第一部・第二部それぞれのストーリーを追っていきましょう。

第1部:刑事モウと謎の金髪女性の物語

香港警察の刑事・モウ(223号、金城武)は、5年間付き合った恋人メイに突然フラれてしまいます。それも4月1日、エイプリルフールの日だったため、モウは「きっと嘘だ」と信じたくなり、メイからの伝言がないか何度もポケベルを確認します。

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しかし現実は変わらず、彼女の心が離れた事実に打ちひしがれました。失意のモウは「恋には賞味期限があるのかもしれない」と考え、メイへの未練を断ち切るためにある奇妙な行動を始めます。

彼は「5月1日までが期限」のパイナップルの缶詰を30個(メイと別れるまでの日数と同じだけ)買い集め、毎日食べ続けることにしたのです。「缶詰の賞味期限が切れる頃には、この恋もきっと風化するだろう」という一種のけじめでした。

スチュアート

意味わからんがメンタルやられた男はこんなもんよな

そんな中、香港の街では麻薬の密売組織が動いていました。モウが失恋に沈む同じ時期、ブロンドのウィッグにサングラス姿の謎の金髪女性(ブリジット・リン)は麻薬の運び屋たちを手配し、重慶マンション内で取引の準備をしていました。

しかし彼女が雇ったインド系の運び屋たちは、空港で目を離した隙に麻薬ごと逃走してしまいます。締め切りの5月1日が迫る中、追い詰められた彼女は奔走しますが、ブローカーたちは見つかりません。焦った彼女は裏切り者への報復に乗り出し、隠し持っていた拳銃で関係者に発砲しながら夜の街を駆け回ります。

スノーベル

発砲しまくっててまじ草だったにゃ

一方その頃、モウは毎晩食べていたパイナップル缶をすべて平らげ、失恋の痛みに区切りをつけようとしていました。4月最後の夜、彼は自暴自棄になって「今夜最初に出会った女性を好きになろう」と決め、バーに独りで入ります。

そこへ疲弊しきった様子の金髪の女が偶然やって来ました。モウは彼女に惹かれ、酔った勢いも手伝って必死に話しかけます。彼女は犯罪のトラブルで一晩中走り回った後だったため、最初は相手にしませんでしたが、終電もなく店が閉まる頃になると「少し休みたいわ」とつぶやきます。

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モウは紳士的に彼女を近くの安ホテルへ誘導し、部屋を取って休ませてあげました。

金髪の女は部屋に入るとベッドで泥のように眠り込み、モウは邪魔しないよう静かに夜を過ごします(軽食を買ってきて映画を2本観るなどして時間を潰しました)。明け方、モウは眠る彼女のハイヒールが泥だらけなのに気づき、そっと靴を脱がせて自分で磨いてあげます。

そして「ありがとう」と心の中で告げると、彼女を起こさないよう部屋をあとにしました。彼女が本当に眠っていたのか起きていたのかは定かではありませんが、モウが去った直後、金髪の女はベッドからふっと身を起こし、無言で外の朝焼けを見つめます。

5月1日朝6時。偶然にもモウの30歳の誕生日でした。彼は夜明けの運動場で全力疾走し、汗とともに未練を振り払おうとします。そこへ突然ポケベルが鳴りました。

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伝言サービスに電話をかけると「702号室の女性から『お誕生日おめでとう』」とのメッセージが!なんと昨夜の金髪女性が、モウの誕生日とは知らずにホテルの部屋番号(702号室)と今日の日付にちなんでメッセージを残してくれていたのです。

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おしゃだ・・・

この思いがけない贈り物にモウは涙を堪え、再び走り出します。失恋で止まっていた時間が再び動き出し、彼の心は救われました。

その頃、金髪の女は自分を裏切った麻薬組織の元締めを追い詰め、冷酷に射殺します。

スノーベル

殺し慣れててウケたにゃ

そして夜明けの街で金色のカツラを脱ぎ捨て、本来の黒髪の姿で雨の中へと姿を消しました。彼女とモウはこの後二度と出会うことはありません。

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しかし、「何気ない出会いが誰かの人生を変えることもある」──モウにとって彼女との短い一夜は、失恋から立ち直るための大きな転機となったのです。

物語はここでひと区切りし、舞台は蘭桂坊のファストフード店・Midnight Expressへと移ります。そこではモウ刑事が立ち寄った際に店主から「新しく入った女の子(フェイ)と付き合ってみたら?」と冷やかされる場面がありました。

モウは冗談を真に受け「僕にそんな趣味はないよ」と笑って店を出ますが、まさにその瞬間、彼の前を音楽にノッて歩く一人の女性店員が横切ります。モウは後にこう回想しました。「その時、彼女との距離は0.1ミリ。6時間後、彼女は別の男に恋をした」──。ここから第二部、もう一組の男女のエピソードへとバトンタッチします。

第2部:警官663号とファストフード店員フェイの物語

蘭桂坊にあるミッドナイト・エクスプレスでアルバイトする少女フェイ(フェイ・ウォン)は、店内BGMに大音量で流れるお気に入りの曲「夢のカリフォルニア」に合わせて体を揺らしながら、今日も楽しそうに働いています。

そこへ、いつもサラダを買いに来る常連客の警官663号(トニー・レオン)が来店しました。663号(劇中では店主に633と呼ばれることもあります)は、勤務明けに必ずサラダを2つ購入して帰るのが日課です。

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しかしこの日、店主は「たまには彼女にフライでもどうだ?」と茶化してきます。実は663号はキャビンアテンダント(CA)の恋人と最近すれ違いが続いており、店主なりに気遣っていたのでした。

大音量の音楽の中、663号はフェイに「新入りさん?」と声をかけますが、フェイは聞こえないふりをしてニコリともせず接客します。ただ、その様子を横目で観察するうちに、フェイは次第にこの警官に興味を抱き始めました。

翌日も663号は店にサラダを買いに来ます。店主は「魚のフライも付けてみたら?」などと世話を焼き、663号もそれに従ってみたりします。その次の日、663号は「実は彼女サラダ好きじゃなかったみたい」とぽつり。

どうやら恋人との仲がかなりぎくしゃくしている様子です。そしてついに「昨夜、恋人と別れました…」と打ち明けました。失恋直後の663号は寂しさを隠せません。

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その頃にはフェイも彼に親しみを感じ始めており、店主とのやり取りを無言で盗み聞きしながら彼の様子を伺っています。

ある夜、663号の元恋人であるスチュワーデス(ヴァレリー・チョウ)が店を訪れます。彼女は不在の663号に手紙と彼の部屋の合鍵を預け、旅客機で香港を飛び立っていきました。

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店主は興味本位で封筒を開封し、中の別れの手紙を読みます。内容は「ごめんなさい。もう戻れない」という趣旨でした。店員たち皆が回し読みする中、最後に読んだフェイは封筒の中にが入っていることに気付きます。

店主から「この手紙と鍵、本人に渡してやって」と言われたフェイですが、翌日663号が来店した際に彼は「また今度でいい」と受け取ろうとしません。そのまま彼は担当地区が変わり、店にも顔を出さなくなってしまいました。

しばらくして、フェイが市場に買い出しに出かけると偶然663号に再会します。ベンチでぼんやり昼食をとっていた663号に声をかけられ、荷物運びを手伝ってもらううちに二人は少し打ち解けました。

スノーベル

663号が「どうしてこの店で働いているの?」と尋ねると、フェイは「お金を貯めてカリフォルニアに行くため」と答えるにゃ。

そして無邪気に「一緒に行こうよ!」と誘ってみせるのでした。663号は困ったように「考えとくよ」と答えますが、フェイは「優柔不断なんだから」と笑い、そこでふと思い出したように「あ、そうそう手紙まだ渡してなかった」と彼に言います。

すると663号は「手紙はもういいよ。代わりに君が僕の部屋に遊びにおいで」とフェイに自宅の住所を教えました。失恋で沈んでいる自分を癒すかのように、彼はフェイの明るさにどこか惹かれ始めていたのです。

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こうしてフェイは663号の“合鍵”を正式に手に入れた形になりました。そして彼の言葉に甘えるという名目で、なんと仕事をさぼって663号の留守宅に忍び込む計画を実行に移します。

スチュアート

頭おかしすぎですが、この狂気が欲しいよな映画には

フェイの奇想天外な行動が始まりました。初めて鍵を開けて入った663号の部屋は、男やもめらしく雑然として埃っぽく、熱帯魚の水槽も苔だらけです。フェイは興味津々で部屋を物色しつつ、大胆にも掃除や模様替えを開始しました。

初回は洗剤で床や窓を磨き、テーブルクロスを替える程度でしたが、次第にエスカレートしていきます。663号が勤務中の日中を狙ってたびたび侵入し、彼の生活用品を自分好みの新品に入れ替えたり、古いぬいぐるみ(元恋人の忘れ物)を処分したり、冷蔵庫に勝手に料理を作り置きしたり…。

スノーベル

ちなみに一部の方で店から買ったぬいぐるみを持って出てくるフェイが現れる描写があるにゃ

まるで同居人にでもなったかのように、彼の部屋を少しずつ自分色に染めていくのです。

フェイの一番のお気に入りは店でも流していた「夢のカリフォルニア」の曲でした。ある日、663号の部屋にそのCDをこっそり置いて帰り、以来、侵入の度にステレオで大音量再生!

締め切った部屋で音楽を流しながらノリノリで掃除に励むフェイの姿は、他人が見れば異様ですが、観客にはなんともキュートでコミカルに映ります。

スチュアート

663号が部屋の変化に気づかないの最高にホラーでしたね

こうした変化に663号も全く気づかないわけではありません。部屋に帰るたび「なんだか雰囲気が違う…?」と首を傾げますが、「きっと失恋のショックでそう感じるだけさ」と自分に言い聞かせ、深く考えませんでした。

実際、部屋が綺麗になりインテリアが明るく変わっていくにつれ、彼の表情も少しずつ晴れやかになっていきます。フェイは663号のために水槽の中の魚を2匹から3匹に増やし、「寂しいだろうから仲間を足しておいたにゃ(※彼女だけが心の中でそう呟いている)」といった具合にお世話。

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そしてある日、663号は鏡台に見知らぬ女の子の写真が貼られているのを発見しました。「こんな写真あっただろうか?」不思議に思いながらも、それが誰なのか彼には分かりません(実はフェイ本人の幼少期の写真ですが、面識の浅い663号には気づけません)。

そんな折、663号の留守番電話に残っていた元恋人(スチュワーデス)からのメッセージをフェイが聞いてしまいました。「もう一度やり直したい」という内容にショックを受けたフェイは、嫉妬心からそのメッセージを消去します。

スチュアート

消すと思ったわ・・・ってとこまで予想はできた

さらに彼女は睡眠薬を水に溶かして冷蔵庫に入れておくというイタズラまで行いました(失恋で不眠気味だと嘆く663号を休ませてあげたい気持ち半分、部屋にいる間に帰宅されないよう眠らせたい気持ち半分…複雑です)。

スノーベル

やってることアウトすぎにゃ

こうしてフェイの「秘密の同居生活」はエスカレートしていきました。

しかしついに事件が起こります。ある夜、いつものようにフェイが他人の部屋でくつろいでいると、なんと当の663号が早めに帰宅してしまったのです!鉢合わせを避けようとフェイは慌ててベッドの下やトイレに隠れますが、運悪く水槽の魚が暴れて音を立ててしまいます。

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不審に思った663号があちこち探すと、浴室のシャワーカーテンの向こうにフェイが!観念した彼女は「Hi!(やぁ!)」とニッコリ笑って手を振りました。

663号は驚きつつも事情を察し、「君、今まで僕の部屋に?」と問い詰めます。フェイは持ち前の明るさで「ごめん、掃除してただけ」とおどけてみせ、その場から走って逃げ出してしまいました

翌日、663号はミッドナイト・エクスプレスに行き、店主に「フェイはどこ?」と尋ねます。しかし店主は「さぁ、店も辞めちゃってどこか旅に出たよ」と言うばかり。

実はフェイは念願だったカリフォルニア行きの航空券を手にし、飛行機で香港を発ってしまったのでした。残された663号は呆然。結局、彼女が自分に好意を寄せて部屋に忍び込んでいたことを知ったものの、その彼女は遥か遠くへ行ってしまったのです。

スチュアート

まじでメンヘラすぎる

それから約1年後──。663号は警官を続けながらもファストフード店の店主とすっかり顔馴染みになり、なんと彼自身がその店を譲り受けて経営することになっていました。

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ある雨の夜、店にふらりと現れたのは客室乗務員の制服に身を包んだフェイです。彼女は髪型も以前とは違う大人びた雰囲気になっていました。店で再会した二人はぎこちないながらも笑顔を交わします。663号は「制服がよく似合ってる」と褒め、フェイも「あなたのその私服も素敵ね」と答えました。

実は1年前にフェイが旅立つ直前、663号は彼女に一通の手紙を渡していました。宛名は「フェイへ」、差出人は「633(※彼の誤記)」。内容は読まずに破いてあり、中に搭乗券サイズの紙切れが入っています。

フェイが不思議そうに「これ何?」と尋ねると、663号は照れたように答えました。「僕の行きたい所(=目的地)を書いておいた。あとは君が好きな所へ連れて行ってよ」。

スチュアート

見ると搭乗券には「ANYWHERE(どこでも)」とだけタイプされています。フェイは微笑みながらその紙を取り出し、ペンで新しい搭乗券を書き始めました。

宛名は「Mr. 663」。行き先欄は空白のままです。そして彼女はそれを663号に手渡し、はにかみながら聞きます。「ねぇ、どこに行きたい?」。663号は答えます。「君の行きたいところへ」。二人は見つめ合い、かつてない理解と信頼がそこに生まれました。

こうして雨上がりの店先で再会した二人は、新しい旅路(=恋)のスタートラインに立つことになります。ラストシーンでは、店内のジュークボックスからフェイ・ウォンが歌う「夢中人(※後述)」が流れ、未来への予感に満ちたエンディングを迎えます。

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傷心だった者同士が時間をかけてお互いの存在の大きさに気づき、本当の恋が今始まろうとしている──そんな鮮やかで温かい余韻を残し、『恋する惑星』の物語は幕を閉じるのです。

『恋する惑星』で使われている曲と歌詞の意味【挿入歌一覧】

本作は音楽のセンスあふれる選曲でも有名です。劇中では同じ曲が繰り返し流れる演出によって、登場人物の心情やシーンの雰囲気を強く印象付けています。

登場する主な挿入歌(サウンドトラック曲)を一覧にまとめ、その曲が持つ意味や映画内での使われ方を解説します。

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曲名(邦題)曲名(原題)アーティスト劇中での使われ方・解説
夢のカリフォルニアCalifornia Dreamin’ザ・ママス&ザ・パパスフェイが店内で大音量で繰り返し流す曲。明るい曲調だが歌詞は「恋人と喧嘩別れし、寒い冬に一人取り残された心境」を歌っており、663号を想うフェイの切ない気持ちを象徴。
縁は異なものWhat a Difference a Day Madeダイナ・ワシントンアメリカの往年のジャズナンバー。「たった一日で人生が一変する」という歌詞が特徴で、モウと金髪の女の偶然の出会いがモウの心を救った展開と呼応する。
Things in Life (英題)—(※インストゥルメンタル)デニス・ブラウンジュークボックスから流れるレゲエ曲。歌詞は「変化の激しい世の中でも、良いこと悪いことすべて含めて支え合い、理解し合って生きていきたい」という内容で、香港が迎える運命(1997年返還)にも重ねて解釈できる深みを持つ。
夢中人(広東語)Dreamsフェイ・ウォンフェイ・ウォン(劇中フェイ役)が歌うエンディング曲。原曲はThe Cranberriesの有名曲で、フェイ自身がカバー好きな人への想いを夢見るように歌ったラブソングで、ラストシーンではフェイと663号の新たな出発を彩る主題歌となっている。

映画の中で特に印象的なのは、フェイが好んで店でかけているアップテンポな「夢のカリフォルニア」と、彼女自身が歌う「夢中人」の2曲でしょう。

どちらも明るく耳に残るメロディですが、実は歌詞の内容は物語と深くリンクしています。例えば「夢のカリフォルニア」の歌詞は一見爽やかですが、「恋人と口論別れしてカリフォルニア行きの夢が叶わず、寒い冬を過ごす」という失恋ソングです。

一方「夢中人」はフェイ・ウォンが恋する気持ちを乗せたキュートなラブソングで、タイトルは「夢の中の人」という意味。フェイ(役名)の心情そのものとも言えます。それでは、劇中曲の歌詞について先輩と後輩の会話形式で少し掘り下げてみましょう。

Lisa

スノーベル、この映画って音楽がすごく印象的だよね!『夢のカリフォルニア』とか流れるとテンション上がる~。でも、この曲って明るいのに歌詞はけっこう切ないって聞いたんだけど、本当?どんな意味なの?

スノーベル

いい質問にゃ。『夢のカリフォルニア』はノリノリだけど、歌詞は恋人とケンカ別れして一人ぼっち…って内容にゃ。行くはずだったカリフォルニアにも行けず、寒い冬に取り残されてる心境を歌っているんだにゃ。曲調とのギャップがある分、フェイの寂しさが際立つ仕掛けになってるにゃ。

Lisa

そうだったんだ…。明るい曲調なのに背景は失恋なんて、なんかグッときちゃうね。『縁は異なもの』って曲も出てきたよね?これも昔の曲なのかな?

スノーベル

『縁は異なもの』は1950年代のジャズにゃ。邦題はことわざから取ってるけど、原題は『What a Difference a Day Made』といって“たった一日でこんなにも世界が違って見える”って意味の歌にゃ。愛する人に出会ったおかげで人生が一変した…という内容で、モウ刑事が金髪の彼女と過ごした一夜の後に前向きになれた展開と重なるんだにゃ。

Lisa

なるほど~。じゃあ最後に流れる『夢中人』はフェイ・ウォン自身が歌ってるけど、あれってやっぱりフェイと663号のことを歌ってるの?

スノーベル

その通りにゃ。『夢中人』は元々クランベリーズの『Dreams』って曲のカバーで、夢見るような恋心を歌ってるにゃ。フェイ(女の子の方)が663号に恋して抱いていた想いそのままを代弁してると言っていいにゃ。エンドロールで流れることで、“二人の恋が今始まった”っていう余韻を最高にロマンチックに盛り上げてくれるんだにゃ~。

Lisa

スノーベル詳しい!曲と映画の内容がそんなにリンクしてたなんて、知らなかったよ。音楽を知るともっと楽しめるんだね♪

このように、『恋する惑星』では音楽と言葉が絶妙にリンクしながらドラマを紡いでいるのです。監督のウォン・カーウァイは当初から使用する曲を決めていて、撮影スタッフにも曲を聴かせて「こんな雰囲気の映画にしたい」と伝えたと言われています。

フェイが繰り返し流す「夢のカリフォルニア」や、店のジュークボックスから流れる「縁は異なもの」は、映画全体のムードを方向付ける“大事な登場人物”のような存在でした。映画を観終わった後もしばらく頭の中で曲がリピートして離れない…そんな余韻もこの作品の魅力ですね。

『恋する惑星』の見どころ・魅力を解説!スタイリッシュな映像美と香港の空気

Lisa

『恋する惑星』が愛される最大の理由は、ストーリー以上に映像や演出、香港という街そのものの雰囲気が醸し出す独特の世界観にあります。

ウォン・カーウァイ監督は本作で一躍世界的に注目され、「映像の魔術師」と称される存在になりました。ネオン瞬く香港の街を舞台に、カメラマンのクリストファー・ドイルらとともに生み出した映像美は、ポップでスタイリッシュ、そして少しノスタルジックです。

即興的な撮影手法と香港1990年代の空気感

実はこの映画、製作中だった別作品の合間に即興的に撮影された裏話があります。当時ウォン・カーウァイ監督は大作『楽園の瑕』に手こずっており、「もっと身軽に映画を作りたい」という思いから短期間で本作を作り上げました。

スノーベル

重慶マンションという怪しげな雑居ビルでのゲリラ撮影も行われ、許可なしの早撮りでカメラを回してはすぐ立ち去る…という手法でリアルな街の姿をフィルムに収めています。そのため、画面はあえてブレたり雑踏に紛れ込むような臨場感があり、登場人物たちの心の揺れや不安定さを象徴しているかのようにゃ。

また、映画が公開された1994年当時の香港は、中国返還(1997年)を間近に控えた過渡期でした。本作にも、いつか香港を離れて海外へ行きたいと夢見るフェイや、期限(賞味期限)にこだわるモウなど、「移ろいゆく時代への不安と希望」がさりげなく投影されています。

香港の雑踏や屋台、看板だらけの街角、そして中環(セントラル)の長いエスカレーター(フェイが駆け上がる有名なシーン)など、映画に登場する風景はどれも香港という街そのものの魅力を伝えてくれます。

恋する惑星:香港の長いエスカレーター

公開後、日本人観光客が劇中のロケ地巡りをするほど話題になり、「恋する惑星ツアー」なんて言葉も生まれたほどです。

世界が惚れた!スタイリッシュな演出と評価

ウォン・カーウァイ監督は本作で香港電影金像奨(香港のアカデミー賞)最優秀作品賞・監督賞を受賞し、主演のトニー・レオンも最優秀主演男優賞に輝きました。さらに当時無名だった金城武やフェイ・ウォンも一躍人気者となり、その後の国際的な活躍につながっています。特にトニー・レオンは本作以降も監督の常連俳優となり、『花様年華』『2046』などで世界的人気を博しました。日本では、この映画をきっかけに金城武が大ブレイクし、後に『レッドクリフ』など大作に抜擢されるまでになりました。

海外では、公開当時アメリカの映画人たちが本作を絶賛しました。その代表がクエンティン・タランティーノ監督です。タランティーノは「この映画は俺のオールタイム・ベストだ!」と大興奮し、自身が立ち上げたレーベル(ローリング・サンダー)を通じて本作の北米配給権を取得しました。彼の後押しもあって、『恋する惑星』は世界中の映画ファンに知られるところとなったのです。ポップで洒落ていて、それでいて切ない。本作に漂う独特の感性は欧米の若い世代にも刺さり、以降のアジア映画ブームを牽引する一本となりました。

テーマは「すれ違う恋」と「寸止めの美学」?

一見すると脈絡のない2部構成の物語ですが、ウォン・カーウァイ監督は「単純なラブストーリーを作ろうとしただけだ」と語っています。共通するテーマは「失恋の痛みと、新しい恋への希望」。どちらのパートも主人公の男性は失恋で心揺れ動き、女性側はそんな彼らに新風を吹き込む存在として描かれています。しかし決定的な結ばれの瞬間は映さず、ギリギリのところ(寸止め)で物語を終えるのが本作の粋なところです。223号と金髪女性の関係も、663号とフェイの関係も、完全なハッピーエンドではなく「予感」と「余韻」を残して幕を引きます。この“語りすぎない美学”こそ、観る者の想像力を掻き立てるウォン・カーウァイ流ラブストーリーの真骨頂でしょう。

そして面白いトリビアとして、本作は当初3つのエピソードで構成される予定でした。実際に脚本も3話分書かれていたそうですが、時間の都合で第3話は割愛され、そのアイデアは後に『天使の涙』(原題:堕落天使)という別作品として制作されました。第2部の663号とフェイの物語の続きとも言える内容で、舞台も重慶マンション近辺です。『恋する惑星』が好きな方は姉妹編ともいえる『天使の涙』もぜひチェックしてみてください。

さらに本作では、映像と音楽の融合が非常に革新的でした。前述したように、同じ曲を何度も使う大胆な手法や、スローモーション&早回しを組み合わせた独特の映像表現(例えば金髪女性が街を走るシーンで周囲だけ高速で流れる描写など)は当時としては斬新で、多くの映像作家に影響を与えました。日本でも本作にインスパイアされたCMやミュージックビデオが制作されるなど、そのスタイルは一種のブームとなりました。

こうした点を総合すると、『恋する惑星』の魅力は「刹那的でスタイリッシュな映像に乗せて、永遠に続くことを夢見る恋を描いた」ところにあります。失恋の痛み、新たな出会いのときめき、恋が始まる予感…そうした普遍的な感情を、極彩色の香港という舞台と音楽の力で増幅し、観客に焼き付ける。まさに映画でしか味わえない魅惑の体験と言えるでしょう。だからこそ時代を超えて支持され、何度観ても新たな発見がある“永遠の青春映画”として語り継がれているのです。

Q&A:『恋する惑星』が「わからない」「怖い」「つまらない」と感じる理由は?

名作と名高い一方で、『恋する惑星』には「意味がよくわからなかった」「フェイの行動が怖い…」「思ったより退屈だった」などの声があるのも事実です。ここでは、そう感じてしまう理由と、作品をより楽しむための視点を解説します。

「ストーリーが難解でよくわからない」という声について

まず、多く聞かれるのが「物語の構成がわかりにくい」という感想です。確かに本作は前半と後半でストーリーが断絶しており、普通の映画のような一本筋のプロットは存在しません。「結局、223号と663号の話は直接関係ないの?」「何を伝えたいの?」と戸惑う方もいるでしょう。

この点について言えば、本作はストーリーの起承転結よりも雰囲気や感覚を楽しむ映画だと言えます。監督自身「難しいことは何もない。ただ男女の出会いを描いただけ」とコメントしており、あえて説明を削ぎ落としています。むしろ観客が深読みしすぎて「難解な映画」という評判が独り歩きしている節もありますが、肩の力を抜いて眺めれば「失恋した人が新しい恋に巡り会うまで」のシンプルな物語です。

また、敢えて謎めかせている部分も味わいの一つでしょう。例えば第1部の金髪女性のその後や、第2部でフェイと663号が再会した後の未来など、明確な答えは描かれません。しかしその余白を自分なりに想像して楽しめるのが本作の醍醐味でもあります。ストーリーがはっきりしない分、映像美やセリフ、キャラクターの仕草など細部に目が向き、「映像詩」のような感覚で味わえるのです。「何となくオシャレで切ない雰囲気が好き」といった鑑賞の仕方でも全く問題ありません。

さらに前述のように、本来もう1エピソード加える予定だったために構成が独特になっている事情もあります。二つの短編がゆるやかにリンクするオムニバス映画と割り切ってしまえば、逆にユニークな構成として楽しめるでしょう。もし初見でピンと来なかった方も、音楽や映像に注目して二度目を観てみると、新たな発見があって面白いですよ。

フェイの行動はストーカー?「怖い」と感じたあなたへ

次に、「フェイちゃんのやっていることって冷静に考えるとかなり怖い…」という指摘です。確かに他人の家に不法侵入し、勝手に部屋を改造していく行為は現実なら犯罪ですし、やり方次第ではホラーにもなりかねません。

Lisa

劇中でもフェイは睡眠薬を盛ったり、他人の留守電メッセージを消去したりと、やっていることだけ書けば完全にアウトです(笑)

それでも多くの観客がフェイを「可愛い!」と感じ、彼女の行動を不思議と怖いものではなく微笑ましいものとして受け止めてしまいます。この逆転現象こそウォン・カーウァイ作品の魔法と言えるでしょう。フェイ役のフェイ・ウォン本人が持つ天真爛漫な魅力、そして映像と音楽の演出が巧みなので、観客は知らず知らずのうちに彼女の味方になってしまうのです。

例えば、フェイの侵入シーンには常に「夢のカリフォルニア」や「夢中人」といった明るい曲が流れ、カラフルな映像でコミカルに描かれます。663号本人が全く気づかないドジっぷりも相まって、シリアスになりそうな状況が軽妙なユーモアに転化されています。「警官なのに鈍感すぎる663号」と「悪意ゼロで突き進むフェイ」の組み合わせが絶妙なバランスで、観客に「まあ結果オーライだし、いっか!」と思わせるのです。

もちろん現実には真似厳禁ですが、映画の中ではこれは純粋で一途な恋のメタファーとも捉えられます。「好きになった相手の生活に飛び込んで、自分色に染めちゃいたい」という無邪気な願望を、極端にデフォルメして描いたものとも言えるでしょう。そう考えると、フェイの行動もホラーではなくファンタジーのような可愛らしさが感じられるのではないでしょうか。

もし「いややっぱりちょっと怖い…」と思った方も、一歩引いて観てみると、フェイの行動は663号への思いやりにも基づいていることが分かります。彼が元恋人の荷物を見て落ち込まないよう片付けてあげたり、眠れてないと聞けば睡眠薬を混ぜたり(やりすぎですが)、根底には彼を元気づけたい優しさがあるのです。

スチュアート

「恋は盲目」と言いますが、恋する乙女の突飛な行動を可愛い悪戯として笑って受け止めてしまえるかどうかーーそこも本作を楽しむポイントかもしれません。

「つまらない」「退屈」と感じてしまった人へ

最後に、「映像はオシャレだけど正直つまらなかった…」という感想について。テンポの速い現代映画に慣れた方や、明確な起承転結のドラマを求める方には、本作のスロウな語り口やストーリーの淡白さが物足りなく映ることもあるでしょう。

確かに『恋する惑星』には派手などんでん返しや大事件は起きません。全編がゆるやかな日常会話やモノローグで進み、カーチェイスも銃撃戦も(ほぼ)無いので、アクション映画的な興奮は期待しないほうがいいです。その代わり、本作は登場人物の心の機微や都会の孤独感をじんわりと描くタイプの映画です。セリフにしみじみとした味わいがあり、何気ないシーンにクスッと笑えたりホロリと来たりする余韻があります。

「退屈だな…」と感じてしまった方は、ぜひ映像のディテールや音の演出に注目して二回目を観てみてください。例えば、223号が食べるパイナップル缶のラベル日付、フェイが部屋に残していく細々とした雑貨、モノローグで語られる比喩表現など、細部に遊び心が満載です。極端なスローモーションと早回しを組み合わせた映像もユニークですし、ユーモラスな脇役たちのやり取り(酔いつぶれるインド人たちやお節介な店主など)にも注目すると新しい発見があるでしょう。

また主人公たちの心情に寄り添って鑑賞すると、共感できるポイントが見えてくるかもしれません。失恋直後のあの胸の痛み、新しい恋の予感が芽生えたときの高揚感、好きな人を思ってついしちゃうちょっとおバカな行動…。誰しも心当たりがある感情が、この映画のキャラクターたちには詰まっています。それに気づいたとき、「なんだ、自分も同じじゃないか」とクスッと笑えて、映画全体が愛おしく感じられるはずです。

もしどうしても合わないという場合でも、90年代香港の映像記録として見る価値は大いにあります。当時の香港の空気感や若者文化がリアルに切り取られており、それだけで興味深いという声も多いです。いずれにせよ一度観ただけで判断せず、音楽を聴くように気楽に繰り返し再生してみることをおすすめします。気分や見るタイミングによって印象が変わる映画でもありますので、「今日はなんだか恋する惑星な気分だな」という夜にぜひ再挑戦してみてください。

『恋する惑星』の配信情報とDVD・ブルーレイ発売状況

「もう一度観たい!」という方や、未見で興味を持った方のために、本作の視聴方法について最新情報をまとめます。結論から言うと、2025年現在『恋する惑星』は主要な定額制見放題サービスでは配信されていません。Netflix(ネットフリックス)やHuluといった大手プラットフォームでは残念ながら扱いがなく、「Netflixで観られる?」という問いには「現時点ではNO」となります。ただし今後ラインナップに加わる可能性はゼロではないので、気になる方は動向をチェックしてみてください。

では、どうやって観られるのかというと、VOD(ビデオ・オン・デマンド)のレンタルサービスで視聴可能です。例えばAmazon Prime Videoでは、本作を個別レンタル作品として配信しています(字幕版など)。有料ですが、レンタルすれば手軽にスマホやPCで視聴できます。また、TSUTAYA DISCASなどの宅配DVDレンタルでも取り扱いがあります。

一時期、国内のU-NEXTで見放題配信されていたこともありました。2024年頃まではU-NEXTでポイント不要で視聴できましたが、執筆現在では配信終了しています。ただ、U-NEXTはウォン・カーウァイ監督作品を積極的に扱っていた実績があるので、キャンペーン等で再配信されることも考えられます。タイミングが合えば無料トライアル期間などを利用して観られる可能性もあるでしょう。

続いてDVD・ブルーレイ情報です。本作は90年代に日本公開された際、VHSやLD(レーザーディスク)でリリースされ、2000年代にはDVDも発売されました。当時のDVDは現在では廃盤になっており、新品入手は難しいですが、中古市場(ブックオフやネットオークション、Amazonマーケットプレイスなど)で比較的低価格で見つかることがあります。「恋する惑星 DVD 中古」で検索する人がいるのはこのためですね。中古DVDでも鑑賞には問題ありませんが、画質や音質は標準画質である点はご留意ください。

しかし朗報があります。2020年代に入りウォン・カーウァイ監督は自身の過去作をデジタル修復する「4Kレストア」プロジェクトを行い、『恋する惑星』も美しい映像によみがえりました。2022年には劇場で4Kレストア版がリバイバル上映され、日本でも大きな話題となりました。その後、2023年2月に日本で「4Kレストア UHD+Blu-ray版」が発売されています。これはUltra HD Blu-ray(4K画質)と通常Blu-rayのセットで、オリジナルの色彩や音響が当時の意図通りに復元され、さらに高精細になった決定版とも言えるものです。価格も定価7,000円程度(実売5千円前後)と、Blu-rayソフトとしては標準的。過去にDVDで持っていた方も、ぜひこの機会に買い替えてみてはいかがでしょうか。特典映像や監督インタビューなどが収録されている場合もあります。

まとめると、現時点で『恋する惑星』を観るには

デジタル配信(レンタル):Amazonプライムビデオ、Rakuten TV、Apple TVなどでレンタル可能。好きなときに手軽に視聴できます。

サブスク配信(定額見放題):主要サービスでは配信なし。期間限定で配信されることがあればラッキーです。

パッケージソフト:最新の4Kレストア版Blu-rayがおすすめ。旧版DVDは中古で安く手に入るが画質はSD。

自宅の大画面テレビで極上の映像美を楽しみたいなら4K版Blu-rayを、ちょっと試しに観たいだけならデジタルレンタルを、と用途に合わせて選んでみてください。

まとめ

『恋する惑星』は、失恋の痛みと新しい恋のきらめきをスタイリッシュに描いた香港発の名作ラブストーリーです。物語自体はシンプルで、223号と663号という2人の警官のすれ違う恋模様をオムニバス形式で見せています。しかし、その映像表現や音楽の使い方、香港という街の持つエネルギーが融合し、唯一無二の世界観を作り上げました。

Lisa

観終わった後に心に残るのは、缶詰のパインの甘酸っぱい味、流れ続ける「夢のカリフォルニア」のメロディ、薄明かりのファストフード店で交わされる笑顔──そんな断片的なイメージかもしれません。それこそがこの映画の狙いであり、観客一人ひとりの中で物語が続いていくような余韻を大切にしているのでしょう。

「わからない」「つまらない」と感じた方も、もう一度気軽に鑑賞してみれば、ふとした瞬間に本作の魅力にハッと気づくかもしれません。逆にドハマリした方は、同監督の他作品(『天使の涙』『花様年華』『ブエノスアイレス』など)もぜひ巡ってみてください。香港の夜景に恋した人は、ロケ地巡りの旅なんていうのも楽しそうですね。

恋する人も、かつて恋に傷ついた人も、そして香港が大好きな人も…『恋する惑星』はきっとあなたの心にそっと寄り添い、不思議な温もりを残してくれる映画です。まだ観ていない方はもちろん、何度も観た方も、それぞれの「青春」の1ページとしてこの作品を楽しんでいただければ幸いです。

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