(※2022年7月15日の記事です)
香港ドルが急騰、超円安時代はどこまで続くのか?
米ドル高(円安)が年初から続いている。
現在は2022年7月15日だが1年でなんと26.2%もドル高となっている。
これは1998年以来の水準であり、如何に現在の状況が異常であることが長期チャートからも読み取れる。
そしてドルペッグ通貨である香港ドルも共に急騰している。
ドルペッグとは、英語表記「Dollar-Peg」の日本語読みです。 経済基盤の弱い国や政情不安の国などが通貨相場の安定を目的として、自国の通貨レートを経済的に関係の深い大国の通貨と連動させることをペッグ制といい、世界的な基軸通貨である米ドルと連動させる場合を特に「ドルペッグ(制)」と呼びます。
香港ドルがドルペッグ制を採用している背景は古い歴史が関係しているが、また別途紹介したいと思う。
今回のように為替が強い動きをしている要因は様々あるが、大きくは「長期金利の差」が要因となっている。アメリカと日本の長期金利(主に10年債利回り)を比べてみよう。
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- 米国10年債利回り:2.934%
- 日本10年債利回り:0.227%
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もはや誰にでも理解できると思うが、何が悲しくてこんなに金利の低い国で日本円を持たなければならないのだろうか? どう考えても米ドルを持ってリスクが限りなく低い債券を買っておいた方が金が増える。日本債券を買っても利回りは0%台、米国債券を買えば利回りは3%だ。
現在為替が急激に動いているのは、米FRBが止まらない自国のインフレを止めるために、死に物狂いで金利(Federal Fund Rate)を上げており、低金利政策を続ける日本との金利差がグングン開いていることに起因する。
繰り返すが米国が政策金利を上げなければいけない理由は止まらないインフレである。6月のインフレ率は前年同月比+9.1%である。これは1980年前半以来だ。非常事態なのである。これを止めなければ米国は自国民が困窮する、職場にすら行けなくなる(米国は車社会、ガソリン代の高騰は生活を圧迫する)。
さて、本気で経済観測記事を書くと長くなってしまうのでここまでにするが、筆者は直近のコモディ価格(原油、小麦、肥料など)の下落を見て、インフレピークアウトの糸口が見えたような気がしている。
インフレが進みすぎると人々はお金を使わなくなる(買い控え)、金利が上がれば企業、個人の借入が渋くなる、不動産も買えなくなる。
ただし金利はまだまだインフレ率に対して低すぎる。インフレ率は9.1%、政策金利は1.5-1.75%なのだ。インフレ率を超える政策金利を施して漸くインフレを退治できたという歴史もある。
低金利政策で経済のうねりを微塵も感じさせない日本に長らく住んでいるとこの感覚は中々養えないが、「政府が政策金利の上げ下げで景気をコントロールする」とは実はウルトラCをかますに等しい。
そう物事は簡単に運ばない、現にFRBの楽観的な経済観測が2020年後半よりずっと続いていた。彼らは「インフレは一時的」と1年ほど言い続けたのだ。そして今、インフレ率が+9%超えと馬鹿げた数字に到達している。
そして大急ぎで利上げに利上げを重ねているのが今なのである。このような急激な政策、急激なインフレ率が引き起こすのは不況である。そして株式市場は不況をいち早く織り込む。
S&P500はまだ年初来-20%程度しか下落していない(まぁ、暴落なのだが)。今のインフレを止めるにはもう一段、下手するともう二段ほど(年初来-40%〜50%程度)、株式市場の暴落が必要なのではないかと筆者は考えている。そして本格的な不況到来でインフレは収まり、FRBは利下げに転じる。ここまでが筆者のメインシナリオである。
…そして株式市場が下落する頃、同時にドル高/円安は思い切り巻き戻されることになるだろう(ドル安/円高が始まる)。このシナリオが外れる場合は、「日本人の本格的な資産逃避が始まってしまった」場合だが、その形跡はデータ(対外証券投資の「中長期ネット」)からは見つからない。日本人の海外投資は減っている。円安なので投資控えは当然であり、海外投資をするには投資家が、今後さらに円安になるという「超強気」な予想が必要になってしまうからだ。
もう一度念のため繰り返すが、米FRBが「米国はもう不況に陥る」と判断すると政策金利を下げる。政策金利が下がれば長期金利(米国債)も下がる。利回りが毀損するので、米ドルの価値が希薄する。円は相対的に強くなる。
為替は金利のみで決まらないが、今は8割型金利で価格が形成されていると考えられる。海外駐在員はそろそろ外貨の円転を真剣に考える時期が来ているのではないだろうか?
疲れたのでそろそろ美味かったピザの話をしたい。なぜ日本がずっと低金利なのか?経済成長率が低いのか? などについて気が向いた時にまたまとめてみようと思う。
–(Pizza maru) 序 –
筆者はバリバリの日本人だがPizza Loverである。まるで欧米人のようにピザを愛している。今回訪問したのは「Pizza maru」である。韓国風ピザという意味のわからんコンセプトに逆に惹かれてチャレンジした。
Pizza Maruは銅鑼湾(Causeway Bay)、荃湾(Tsuen Wan)、旺角(Mong Kok)、元朗(Yuen Long)の4箇所で展開している。筆者らが訪れたのは旺角(Mong Kok)、「Langham Place」というショッピングビルの中にある店だった。
総評
ピザは想定より美味く(ピザはキムチとも相性が良い)、ピザの耳はさらに最高だが、デートやお祝い事をするような雰囲気の店ではないことは確かだ。フードコートっぽい喧騒の中に席があり、そこで食事をするからだ。気の知れた友達とBTS聴きながら(店では大画面でBTSやTWICEのミュージッククリップが流れている)ピザを食すくらいの感覚の店である。とはいえ特にリーゾナブルでもない。
筆者はあそこのピザの耳はとても気に入っているので、お持ち帰りでリピートするのはありだと思っている。ピザの耳は3種類選べる。一つはチーズ(Gold Edge)で、もう一つはモカチーズ(Mocha Cheese Edge)。3つ目は忘れたので次回トライしたい。モカチーズエッジの耳がとにかくモチモチして美味い。
韓国風であることを忘れるくらい耳に夢中になれるのがとても良かった。書いている今もあのモカチーズエッジが食べたいと震えている。
料理写真
キムチベイ(Regular)+Gold Edge/199HKD
マルゲリータ(Regular)+Mocha Cheese Edge/174HKD
以上