
香港の中心部にそびえるHSBC香港本店ビル(香港上海銀行)。世界的銀行グループの威信を示すランドマークです。


香港在住のビジネスマン、特に駐在員として現地で働く方にとって、資産運用や日々の資金管理は重要な課題です。その中で真っ先に名前が挙がる銀行が、香港上海銀行として知られるHSBC香港です。



香港最大手の銀行であるHSBC香港は、グローバルなネットワークと先進的なサービスを備え、駐在員の資産形成や資金移動において強力な味方となってくれるにゃ。
この記事では「HSBC香港徹底ガイド」と題し、口座開設から活用方法、注意点まで網羅的に解説します。HSBC香港に関するあらゆる情報をまとめていますので、これから香港で資産運用を始めたい方や、HSBC香港の利用を検討している方はぜひ参考にしてください。




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HSBC香港(香港上海銀行)とは?その魅力と役割
HSBC香港は「Hongkong and Shanghai Banking Corporation」の略称で、もともと香港と上海で創業した歴史を持つ銀行です。


現在はHSBCグループの一員としてロンドンに本拠を置きつつも、アジア・香港地域の金融を支える中心的存在です。



香港島中環(セントラル)にある本店ビルは香港上海銀行 香港支店として象徴的なランドマークであり、地元でも「滙豐銀行(ワイフォン銀行)」の愛称で親しまれています。
HSBC香港は豊富な支店網とATM網を香港中に展開し、個人から法人まで幅広い顧客にサービスを提供しています。
特に駐在員や外国人にとって、HSBC香港は英語での対応が容易な銀行として安心感があります。



口座を一つ開設すれば、香港ドルはもちろんマルチカレンシー口座で日本円や米ドルなど最大12通貨を同時に管理できるのも大きな特徴にゃ。
さらに、世界各国のHSBC支店や提携ATMで口座から直接現地通貨を引き出せるグローバルATMネットワークにも強みがあります。つまりHSBC香港は、香港内での利便性はもちろん、海外出張・旅行先でも頼りになる存在なのです。
加えて、HSBC香港は個人資産のオフショア運用先としても人気です。



国際的に高い信用格付け(S&Pによる「A」評価)を得ており、日本のメガバンクよりも格上の評価となっています。堅実な経営基盤と最新のセキュリティ対策により、預けた資産をしっかり守ってくれる信頼感もHSBC香港の大きな魅力でしょう。



日本のメガバンクよりも格上の評価?!知りませんでした!
HSBC香港で口座を開設するメリット
HSBC香港での口座開設メリットは数多く存在します。以下では、特に駐在員や海外投資に関心がある方にとって魅力的なポイントを整理します。
資産分散と保全
HSBC香港口座を持つことで、自国とは異なる法域に資産を分散できます。日本国内だけに資産を置くリスクを軽減し、政治経済状況の変化に対する耐性を高める効果が期待できます。



香港は法治が整った国際金融センターであり、預金保護や銀行の健全性も高水準にゃ。
豊富な投資機会
HSBC香港では、香港市場の株式や投資信託はもちろん、米国株や中国本土株(A株)への投資、さらには新規株式公開(IPO)への申込まで幅広く対応しています。



外国為替(FX)や債券などの商品も充実しており、一つの銀行で多様な国際投資を実現できます。これは日本の銀行口座では得られない大きなメリットです。
多通貨口座と為替の柔軟性
前述のようにHSBC香港の口座は複数通貨対応です。



一つの口座でHKD・USD・JPYをはじめ主要通貨を同時に保有でき、為替レートの良いタイミングで口座内で両替することも容易にゃ。
例えばボーナスを日本円で受け取り、円高のうちに米ドルや香港ドルに替えておく、といった戦略的な資金管理ができます。
グローバルな利便性
HSBCの国際ネットワークを活かし、海外でもスムーズに資金アクセスできます。HSBC香港のキャッシュカード(デビットカード)は170カ国以上のATMで現地通貨引き出し可能で、両替所を探す手間を省けます。



出張や旅行の多い駐在員には心強いポイントです。また、HSBC間の国際送金もGlobal Transfer機能でスピーディかつ安価に行えます。



一瞬で海外送金できたのは衝撃でした・・・。そういうものなのかって・・・。
高度なオンラインサービス
HSBC香港はインターネットバンキングやモバイルアプリが充実しており、24時間どこからでも口座を管理できます。残高照会や振込はもちろん、投資商品の売買までオンラインで完結します。



特にモバイルアプリではスマートフォンがセキュリティデバイス代わりとなり、ワンタイムパスワードの生成や取引認証が行えるため、安全かつ便利にゃ。
プレミアサービス
一定の条件を満たせばHSBCプレミアという富裕層向け優遇サービスを受けられます。後述しますが、プレミア口座では専用窓口の利用や手数料優遇、家族口座の優待など様々な特典が用意されています。
海外赴任を機にまとまった資産を預け入れる方にとって大きなメリットとなるでしょう。



以上のように、HSBC香港で口座を開くことは資産運用の幅を広げ、日々の金融取引を円滑にする上で非常に有効です。では具体的に、口座開設の種類や方法について見ていきましょう。
HSBC香港の口座種類と口座維持手数料
HSBC香港には顧客の資産状況に応じて複数の口座グレード(種類)が存在します。主な種類は以下の3つです。
- HSBC Premier(プレミア): 富裕層向けの上位口座です。預金残高や投資額などの総関係残高(TRB)がHK$1,000,000以上必要となります。プレミア専用の窓口・ラウンジ利用、海外支店での優遇対応、専用クレジットカードなど特典が豊富です。ただし条件未達の場合は月額HK$380の口座維持手数料が発生します。
- HSBC One(ワン): 一般向けの総合口座です。2020年に旧スマートバンテージ/アドバンス口座が統合されて誕生しました。残高要件はなく、口座維持手数料も無料です。日常利用や初めての香港口座には最適で、デビットカード(Mastercard)も発行されます。多通貨対応やオンラインサービスはプレミアと同様に利用可能です。
- HSBC Premier Elite(プレミアエリート): こちらは旧称HSBC Jade(ジェイド)と呼ばれた最上位口座で、超富裕層向けのサービスです。総資産HK$7,800,000以上が目安とされ、達成者には専任のリレーションシップマネージャーによる財務コンサルや、ラグジュアリーホテル特典(提携するシャングリラの会員資格付与など)といった特別なサービスが提供されます。プレミアエリートも基本的にはプレミア口座の一種であり、TRB要件を満たさなくなるとプレミアへ降格となります。



上記の概要を以下の表にまとめます。
口座種類 | 主な対象 | 条件(TRB) | 口座維持手数料 |
---|---|---|---|
HSBC Premier (プレミア) | 資産100万HKD以上の富裕層 | HK$1,000,000以上 | HK$380/月(残高未達時) |
HSBC One (ワン) | 一般顧客、駐在員・留学生など幅広く | 特になし | 無料(維持手数料なし) |
HSBC Premier Elite (旧Jade) | 資産約780万HKD以上の超富裕層 | HK$7,800,000以上 | プレミアと同条件(未達時は降格) |
(注)TRB=総関係残高(Total Relationship Balance)。預金残高に加え、投信や保険積立等も含めた総資産評価額です。HSBC香港では個人口座間の合算も可能ですが、家族別口座は別計算となります。
ご自身の資産状況に応じて適切な口座種類を選ぶことが大切です。駐在員の方であれば、赴任中に給与送金を受け取るだけでも残高が増えていくため、最初はHSBC Oneで始めて後にPremierへ昇格するケースもあります。


また、プレミア口座を開設する場合、6ヶ月以内は残高要件未達でも手数料免除となるウェルカム期間があります。赴任直後など資金がすぐ用意できないときは、この期間内に条件を満たせるよう計画するとよいでしょう。



プレミア口座は条件を満たさないと毎月380香港ドルの維持費がかかるにゃ。100万ドル未満なら無理せずHSBC Oneにしておくのも賢明だにゃ。



月380ドルって約6千円以上だし、塵も積もればだよね…。私ならまず無料のHSBC Oneから始めるかな!



あとPremireは結構営業電話がかかってくるので、IPOとかHSBCと本格的な資産運用連携などをするつもりがないのであればHSBC Oneでいいと言えばいいにゃ。雑魚だと思われておいた方が良い場合もあるということにゃ。
HSBC香港の口座開設方法と必要書類
では、実際にHSBC香港で口座を開設するにはどうすれば良いでしょうか。基本的に香港現地のHSBC支店を訪問し、所定の手続きを行う必要があります。口座開設手順の概要は以下のとおりです。


HSBC香港は飛び込みでも口座開設できますが、待ち時間を減らすため事前にウェブや電話で来店予約をしておくと安心です。特に中環本店や尖沙咀支店など繁忙店に行く場合は予約がおすすめです。また開設申込書は英語での記入となるため、可能であれば事前に入手し内容を把握しておきましょう。
本人確認書類(パスポート)と住所証明が必須です。住所証明は現住所宛ての公共料金請求書や銀行残高証明書など英文書類が求められます。駐在員の場合、勤務先から発行された在職証明書や香港IDカード(取得済みなら)も提示すると手続きがスムーズです。また最低入金額として数千HKD程度の現金も用意しておきましょう。
窓口で新規口座開設を申し出ます。パスポートや書類提出に加え、口座種別(One/Premier)や通貨建ての希望、デビットカード発行の有無などを確認されます。手続きは通常30分〜1時間程度です。窓口担当者とのやり取りは英語または広東語になります。
開設が完了すると、その場でインターネットバンキングの仮ログイン情報やデビットカード(即日発行される場合もあります)を受け取ります。案内に従い、初回ログイン用のパスワード設定や、モバイルセキュリティアプリの登録を行います。
一般に口座開設直後は残高がゼロだと稼働状況とみなされないため、口座開設セットを受け取ったらその場でATMや窓口からいくらか入金しておくことを推奨します。これで晴れてHSBC香港の口座が利用可能になります。



以上が基本的な流れです。なお、近年はマネーロンダリング対策の強化により、口座開設審査が厳しくなっています。
場合によっては開設を断られるケースもあるため、書類不備や目的が曖昧な申請にならないよう注意しましょう。
例えば「香港に住所がない旅行者だが口座だけ作りたい」という場合、正当な理由(香港に頻繁に来るビジネスがある等)がないと難しくなっています。



昔は簡単に作れたんですけど、流石に難しくなったみたいですね。



英語で手続きするの不安だなあ…。書類もいっぱいありそうだし、私一人でできるかな?



確かに初めてだと大変かもしれないにゃ。でも安心するにゃ、最近は口座開設サポートを提供する日系企業も多いにゃ。日本語で付き添ってくれて、書類の書き方や銀行員とのやり取りを助けてくれるにゃ。ただし数千香港ドルの手数料がかかることもあるから、自力で挑戦するかお財布と相談だにゃ。
実際、HSBC香港の公式には日本語サポート窓口はありません。しかし日本人駐在員コミュニティ向けに情報発信するブログやサポート業者が多数存在し、困ったときはそうしたサービスを利用するのも手です。
HSBC香港のクレジットカード活用


香港で生活する上で、クレジットカードは日常決済や緊急時に欠かせないツールです。HSBC香港でも口座開設者向けに各種クレジットカード(信用卡)を発行しています。
2025年時点でHSBC香港が提供する個人向けクレジットカードは9種類あり、それぞれ年収条件や特典内容が異なります。主なカードと特徴をいくつか紹介しましょう。
HSBC Premier Mastercard®:
プレミア口座保有者向けのワールドMastercardです。年会費永年無料で、利用に応じてHSBCのポイント(RewardCash)が高率で貯まります。空港ラウンジ優待や旅行・ダイニングでの割引などプレミア会員限定の特典も多数付帯します。
HSBC EveryMile Credit Card:
年間所得24万HKD以上が目安のトラベル向けカード。利用額に応じて航空マイル(Aviosなど)を効率よく貯められ、旅行保険も付帯します。出張やプライベートで飛行機移動が多い駐在員には魅力的です。
HSBC Red Credit Card:
年間所得12万HKD以上が目安のスタンダードなカード。年会費無料で日常のショッピングに適しており、オンライン決済では最大4%相当のキャッシュバック(RewardCash還元)が得られるキャンペーンもあります。初めての香港クレジットカードとして人気です。
HSBC Visa Signature/Platinum Card:
Visaブランドの汎用カードで、利用者のニーズに合わせて選べます。Signatureは旅行保険やコンシェルジュサービスなどが充実した上位カード、Platinumは年会費が比較的低めで日常使いしやすいカードです。
UnionPay Dual Currency Card:
中国本土への出張・赴任者向けに、人民元と香港ドルの両建て口座に対応したカードもあります。1枚で中港両方の決済ができ為替手数料を節約できるユニークなカードです。
HSBC香港のクレジットカードを申し込む際は、香港IDを持つ居住者であることが原則



HSBC香港のクレジットカードを申し込む際は、香港IDを持つ居住者であることが原則となります。
駐在員としてIDカードを取得済みで、なおかつ安定収入があれば比較的スムーズに審査が通るでしょう。発行されたカードは、香港国内はもちろん日本を含む海外でも利用可能です。
ただし海外利用時には為替手数料が1.95%程度かかる点に留意してください(2023年11月より導入)。また、日本の一部店舗でHSBC香港発行のカードを使うとシステム上承認エラーになるケースも報告されています。



ちなみに香港旅行の際に日本のクレジットカードを使う時も、実は為替手数料がかかっているにゃ。普通は1.5〜2%程度にゃがアメックスは3.5%になるにゃ。これでスノーベルはアメックス利用を諦めたにゃ。高すぐるにゃ。





(めっちゃキレてて草)
旅先でカードが使えないと困るため、日本帰国時にはあらかじめ少額決済で問題なく使えるか確認しておくと安心です。
なお、HSBC香港のデビットカード(ATMカード兼用、Mastercard機能付き)はクレジットカードとは別に発行されます。



こちらは銀行口座残高の範囲内で即時決済できるカードで、年会費無料です。クレジットカードの審査が不安な駐在初年度などは、まずデビットカードを活用して信用履歴を積み、その後クレジットカードに挑戦するという方法もあります。
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HSBC香港の投資口座と資産運用サービス
HSBC香港は銀行サービスだけでなく、個人向けの投資プラットフォームとしても非常に優秀です。預金口座(貯蓄・当座)とは別に投資口座(Investment Account)を開設することで、様々な金融商品へのアクセスが得られます。



ここでは、HSBC香港で利用できる主な投資サービスについて解説します。
株式取引
香港証券取引所に上場する株式はHSBCの投資口座から直接売買可能です。
さらに、要件を満たせば米国株や中国本土A株など海外市場の株式も取引できます。IPO(新規公開株)のブックビルディングにもオンラインで参加できるため、話題の新規上場株を取得するといった機会も逃しません。
投資信託・ファンド
HSBC香港では世界各国の投資信託(ミューチュアルファンド)を数百以上取り扱っています。
例えば米ドル建てのグローバル債券ファンドや、新興国株式ファンドなど、日本では購入が難しいファンドにもアクセスできます。



最低積立額は月々数百HKDから設定できる商品もあり、長期的な資産形成に役立ちます。
債券・預金商品
香港政府発行の債券や各種社債を購入することもできます。また、預金者向けには構造型預金(仕組預金)という、為替レートや金利に連動したリターンを狙う商品も提供されています。



低金利の日本円預金に比べ、香港ドルや米ドルの定期預金金利は高めに設定されていることが多く、利息狙いの運用も可能です。
外国為替(FX)
マルチカレンシー口座の強みを活かし、オンラインバンキング上で主要通貨の為替取引ができます。
レートを見ながらリアルタイムで両替を行い、為替差益を狙う短期運用も自己責任で可能です。レバレッジをかけたFX専用取引とは異なり、基本的には現物範囲内の売買となるためリスク管理もしやすいでしょう。
投資口座の開設手続き
これらの投資サービスを利用するには、投資口座の開設手続きが別途必要です。



開設時にはリスク許容度に関するアンケート(「投資適合性評価」)への回答が求められます。銀行担当者が「株式投資の経験は?レバレッジ商品の理解は?」など質問し、それに基づき顧客ごとに取引可能な商品範囲が設定されます。
質問は英語ですが選択式で答える形なので構える必要はありません。



投資口座を作るときに色々質問されてドキドキしちゃった…。専門用語とか英語とか難しいんだもん。



投資経験の確認だから正直に答えれば大丈夫にゃ。わからない時は’No’とか’I don’t know’で大丈夫だにゃ。無理にプロ投資家を装わなくても、自分に合った商品だけ勧めてくれるようになるから安心だにゃ。
投資口座開設後は、オンラインバンキング上に投資タブが現れ、そこから各種商品の購入や売却が可能になります。一度設定しておけば、日本からでもインターネット経由で24時間取引指示が出せます(市場が開いている時間に約定)。
海外居住者がHSBC香港の投資口座を持つことは、自分の資産運用の選択肢を地理的に広げることを意味します。ただし、日本と税制が異なるため利息・配当や売却益の税務処理は自己責任で行う必要がある点には注意しましょう。
HSBC香港のオンラインバンキングとログイン方法
HSBC香港はデジタルサービスにも力を入れており、オンラインバンキング(インターネットバンキング)やモバイルアプリを使って口座を便利に管理できます。
駐在員にとっても、帰宅後にPCやスマホから残高を確認したり日本への送金を指示できるのは非常に助かるでしょう。



ログイン方法について、2024年にHSBC香港のオンラインバンキングは仕様変更が行われました。従来必要だった「memorable answer」(秘密の答え)入力が廃止され、現在はユーザー名とパスワードのみでログインできるシンプルな画面になっています。
初回登録時に自分で設定したパスワードを入力すれば良いので、「秘密の質問は何だっけ…」と悩む必要がなくなりました。
ただし、パスワードを3回連続で間違えるとアカウントがロックされる点に注意してください。久しぶりにログインする際は、慌てて何度もトライせず確実な情報を入力しましょう。



アカウントロックされるなら、楽天証券の騒動みたいにはきっとならないわね・・・あんなことされたら震えて夜眠れないわ・・・
個人投資家の証券口座が乗っ取られ株を勝手に取引される被害が楽天証券や野村証券など5社で確認された。偽サイトを通じた「フィッシング」で顧客が認証情報を盗まれたとみられ、警察は不正アクセス禁止法違反容疑も視野に情報収集を始めた。証券各社の偽サイトは急増している。株式相場の不正操作を狙う組織犯罪の疑いが強い。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO87847000V00C25A4MM0000/
万一ロックされてしまった場合、自分でオンライン解除はできず、HSBC香港に電話連絡して解除申請を行う必要があります。
最悪の場合、所定の申請書を郵送してパスワードリセットをする手間が発生しますので、日頃から定期的にログインしてアカウントを維持しておくことをおすすめします。



HSBC香港のオンラインバンキング利用にあたっては、セキュリティデバイス(Secure Key)にも触れておきましょう。
以前は物理的な携帯型デバイスが配布されていましたが、2020年以降新規発行は停止され、現在はスマートフォンのHSBC HKアプリ内に統合されたモバイルセキュリティキーを使う方式が主流です。
スマホアプリにデバイス登録を行えば、ログイン時や高額振込時にワンタップでワンタイムパスワードを発行できます。



もし旧式の物理デバイスをまだ持っている場合も、電池切れ時にはモバイルキーへ移行するよう案内されるにゃ。
駐在員の方は、香港到着後早めに現地SIMを入手し、携帯電話番号をHSBCに登録しておくとスムーズです。電話番号はSMS認証や万一のロック解除時確認にも使われます。



スマホで全部できるのは便利だけど、うっかり携帯壊しちゃったらログインできなくなるんじゃ…?



心配いらないにゃ。機種変更や紛失時は、新しい端末で再登録する手順がちゃんと用意されているにゃ。それに備えて、オンラインバンキング用のパスワードやセキュリティ質問を記録しておくと安心だにゃ。
モバイルアプリ「HSBC HK」は英語表示ですが、直感的なUIで残高確認・振込・投資取引までこなせます。
指紋認証やFace IDにも対応しており、セキュリティと利便性のバランスが取れています。駐在員なら外出中にスマホで日本の家族宛てに送金、なんて使い方も可能です。
HSBC香港で注意すべき点(口座凍結・解約など)
便利でメリットの多いHSBC香港口座ですが、いくつか注意点も存在します。特に「口座の長期未使用による凍結」と「口座解約手続き」について事前に理解しておきましょう。
口座凍結に注意:2年間無取引でロックされる



HSBC香港では、24カ月(2年間)まったく入出金などの動きがない口座は休眠状態(Inactive)と見なされ、自動的に口座凍結となってしまうルールがあります。
凍結されても口座資金は消失しませんが、ATM出金や送金指示が一切できなくなります。



凍結解除には、基本的に本人がHSBC香港に電話をして解除申請を行うか、直接香港の支店窓口で手続きをする必要があります。
日本から電話で依頼する場合は、専用ダイヤルに英語で説明し、SMSで本人確認コードを受け取るといったプロセスを踏む必要があり、ハードルが高めです。
駐在任期を終えて日本帰国後など、口座を放置しがちな状況では特に注意が必要です。



最低でも1年に1度は口座にログインし、小額でも入出金または第三者への送金を行っておくことを強くおすすめします。幸い、モバイルアプリから自分名義の他口座への少額送金などで動きをつければ凍結は回避できます。
例えば100HKDだけ別の自分名義口座に振り替えてすぐ戻すといった操作でも有効です。
また、インターネットバンキング自体も1年以上ログインがないと一部機能が制限される場合があります。忙しいとは思いますが、年に一度は「HSBC香港の口座の健康診断」をするつもりで動かしてください。



2年放置で凍結なんて厳しいね…。私の貯金、うっかり凍っちゃったら大変!



にゃので、例えば誕生日や年末など年に一回は思い出してログインする癖をつけるといいにゃ。もし凍結しちゃっても慌てずに、香港に電話すれば解除自体はできるから落ち込まないでにゃ。ただし英語対応だから、できれば凍結させないのが一番だけどにゃ。
HSBC香港の口座解約方法(郵送でも可能)
海外赴任が終わり日本に帰る際など、「もうHSBC香港口座は不要だから閉じたい」というケースもあるでしょう。HSBC香港の口座解約は、現地に行かなくても郵送で手続き可能です。以下にその概要を説明します。
解約書類の作成
銀行指定のフォーマットは特にありませんが、英語もしくは中国語で「口座を解約したい」旨を記載したサイン入りのレターを作成します。



また、書類作成の際には口座番号、口座名義、連絡先電話番号、解約後の残高の送金先指示(日本の銀行口座など)も明記しましょう。HSBC香港公式サイトから解約申請フォームをダウンロードすることも可能です。
本人確認書類の準備
解約依頼レターには、口座名義人のパスポートコピー(署名ページ)やHKIDコピーを同封するのが無難です。さらに、銀行届出の署名と同じサインをレターにすることで本人確認をスムーズにします。
郵送手配
書類が用意できたら、HSBC香港の所定住所(解約申請受付センター)宛に国際郵便で送付します。追跡可能なEMSや国際宅配便を利用すると安心です。
銀行からの確認連絡
書類が受理されると、HSBC香港側から登録の電話番号宛に確認の電話がかかってきます。英語対応となりますが、「口座解約を申請したので確認しました」という主旨の内容に答えればOKです。



場合によっては口座残高の送金先口座情報などを口頭で再確認されます。
解約完了
手続きが進むと、解約完了のSMS通知が届きます。指定した送金先に残金が振り込まれ、全取引口座が閉鎖されます。



閉鎖後、インターネットバンキングへのログインもできなくなるため、必要な取引履歴などは事前にダウンロードしておきましょう。
郵送解約は手間はかかるものの、香港に再渡航せず口座整理ができる有り難い方法です。



注意点として、口座が凍結状態だと解約手続きが受理されないため、事前に電話等で凍結解除を済ませておく必要がありますにゃ。
また残高送金の際に国際送金手数料が差し引かれる場合もあるので、残金はあらかじめ少し多めに残しておくか香港ドル建てで送金指示するとよいでしょう。
HSBC香港は今後どうなる?最新動向と将来展望
最後に、HSBC香港を取り巻く最近の動向や将来展望について触れておきます。



香港の金融界はここ数年大きな変化の渦中にありますが、HSBC香港は引き続き地域の中核銀行として揺るがぬ地位を保っています。実際、HSBCグループはアジア事業に注力する方針を打ち出しており、香港はその要です。
近年、筆頭株主である中国・平安保険から「アジア部門の分社化(香港への上場)」を求める声も上がりましたが、2023年の株主総会でこの提案は否決され、グループとして一体運営を続ける方針が明確に示されました。
このことからも、HSBCは今後も香港市場を重視し続けると見られます。



サービス面では、デジタル化や富裕層向けサービス強化がキーワードです。2023年末にはHSBC JadeがHSBC Premier Eliteへ改称され、より洗練された富裕層サービスへ刷新されたのにゃ。
また、若年層や一般層向けにはHSBC Oneの無手数料サービスを導入(2019年)したように、他行に先駆けて無料化・利便性向上に動いています。



今後は香港版FPS(高速決済網)のさらなる普及や、デジタル銀行との競争も予想されますが、HSBC香港は豊富な資金力と信頼で依然リードするでしょう。
一方、地政学的なリスクも頭に入れておく必要があります。香港と中国本土の関係変化や国際情勢によっては、資本流出入規制や口座開設要件の変更が起こる可能性はゼロではありません。
しかし、HSBCは過去150年以上にわたり香港の繁栄とともに歩んできた銀行であり、その経験値と現地密着度は群を抜いています。駐在員としてHSBC香港を利用することは、そうした歴史と信頼に裏打ちされた金融サービスを享受することに他なりません。
まとめ
HSBC香港は駐在員の資産運用と口座管理において極めて有用なプラットフォームです。



口座開設のハードルは多少ありますが、一度開けば多通貨対応・世界連携のメリットをフルに享受できます。
是非、本記事の情報を活かしてHSBC香港を最大限活用し、香港での資産形成と国際的な金融ライフを充実させてください。




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