
香港の不動産市場は、世界で最も高額と評されるほど高いマンション価格で知られています。
駐在員の生活費ランキングでも常に世界トップクラスとなり、狭い土地に高層マンションがひしめく独特の街並みは、日本人にも衝撃を与えることでしょう。
イギリス人材調査会社「ECAインターナショナル」が6月7日、世界主要都市の駐在員生活費ランキングを発表し、香港がニューヨークや東京などの都市を抑えて1位となった。
同リポートは1996年から実施し、調査対象は120カ国・地域の207都市。具体的には、食料(乳製品、肉、魚、果物、野菜)、ベーシック(日用品、消耗品、レジャーなど)、一般(衣料、電気製品、アルコール、たばこなど)、光熱費、公共交通機関の5項目を対象に調査する。



例えば、インスタ映えスポットとして有名な「モンスターマンション」と呼ばれる古い超高層住宅ですら、2LDK(約35㎡)の家賃が月HK$11,000以上(日本円で約19万円)もします (Kornhill | Quarry Bay | Yick Cheong Building | 6938780 | Rent – House730)。
では、なぜここまで高いのか?本記事では 「香港のマンション価格」 をテーマに、最新の高級マンション相場推移、地域別の価格動向、そして購入方法や家賃が高い理由まで網羅的に解説します。




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香港のマンション市場概況と価格動向
香港の住宅価格は2021年に史上最高値を記録し、その後は下落傾向にあります。


世界的な金融緩和や中国本土からの資金流入で長年上昇を続けた香港の不動産市場ですが、2022年からは金利上昇やコロナ後の景気不透明感も相まって調整局面に入りました。
実際、香港全体の住宅価格指数は2021年のピークから約20%下落しており、2024年もさらに5~10%程度の下落が見込まれています。



特に高級マンション(広さ160㎡超)の価格も一時より下がったとはいえ、依然として世界最高水準です。以下に、香港の高級マンション価格指数の推移をエリア(香港島・九龍・新界)別に示すにゃ。


香港の高級マンション価格の推移(160㎡超の物件、地域別)。香港島(黄)・九龍(橙)・新界(赤)ともに2010年代半ばから上昇し2021年前後にピークを迎えた後、近年は下落傾向にある。九龍では2023年に大きく下落後、2024年に一時持ち直しの動きが見られる。
グラフから分かるように、香港島(HK Island)の高級マンション平均価格は常に最も高く、ピーク時には1㎡あたり約30万HKドル(=約5,100万円)にも達しました。



2018年頃と2021年頃に2度の高値ピークがありましたが、2022年以降は下降に転じ、2024年時点で香港島の大型高級物件は平均HK$25万/㎡前後まで下がっています。
それでも日本円換算で1㎡あたり約4,250万円にもなり、「世界一高い」と言われる所以が窺えます。
九龍(Kowloon)も香港島に次ぐ高値水準ですが、香港島よりやや安く、HK$20万前後/㎡が目安です。新界(New Territories)の大型物件は郊外エリアということもありHK$10万未満/㎡と比較的安価ですが、それでも東京など日本の平均的なマンション価格と比べれば遥かに高額です。



九龍(Kowloon)はハーバーシティやK11、アベニューオブスターズがある半島ですね。




2023年までの下落幅を見ると、香港島・新界では緩やかな値下がりが続いた一方、九龍は2023年に大きく下落した後、2024年に入って高級物件の平均価格が前年比+20%以上反発する動きも見られました。
この九龍エリアの変動要因としては、2023年に一部高級案件で売れ残り在庫処分が進んだ後、2024年に新築高級マンション(例:西九龍エリアの超高層タワーなど)の販売再開で平均単価が押し上げられた可能性があります。



西九龍エリアの超高層タワー群、ELEMENTSと呼ばれる地域ですね。The CullinanやArchがあります。
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ただし、こうした短期的な変動を除けば香港全体として高級マンション価格はまだ調整局面にあり、主要金融機関も「2025年後半まで弱含みが続いた後、ようやく底打ちする」との見通しを示しています。
坪単価と平米単価の違いって?



スノーベル、香港の不動産って“sq.ft.”とか出てきてピンと来ないんですけど~?



香港では面積を平方フィート(sq.ft.)で表示するのが一般的なんだにゃ。1平方メートル(㎡)は約10.764平方フィートだから、例えば香港島の高級物件HK$25万/㎡っていうのは約HK$23,225/平方フィートに相当するんだよ。
それと香港の物件広告では、実際の部屋の広さ(専有面積)ではなく建物全体の延床面積を基準に表示する場合も多いから注意にゃ!つまり共有部分込みの数字なので、実際の部屋は表示より狭いこともあるんだ。日本の“坪”と混同しないように気をつけてね。



なるほど~。表示の㎡そのままを信用すると痛い目見るかもってことですね。勉強になりますっ!
有名高級マンションの価格比較


香港には世界屈指の高級マンションが数多く存在します。ここでは、その中でも特に有名な高級マンション4物件について、所在地や価格帯、特徴を比較する表を用意しました。香港で物件購入を検討する際の参考にしてみてください。
物件名 | 所在地 | 価格目安(売買) | 特徴 |
---|---|---|---|
Mount Nicholson マウント・ニコルソン | ザ・ピーク(山頂) Mount Nicholson Rd | 平均約HK$800,000/㎡超 (香港島トップクラス) | 香港最高級の高級住宅の一つ。ピーク(山頂)地区に位置し、低層タワー棟と邸宅から成る。2017年には約HK$1.3億/坪(1坪≒3.3㎡)というアジア史上最高額で取引された記録あり。 |
OPUS Hong Kong オーパス香港 | ミッドレベル東 Stubbs Road | 平均約HK$500,000/㎡前後 | 建築家フランク・ゲーリー設計による超高級マンション。各フロア1戸のみの独立設計でプライバシー確保。ビクトリア湾と山景を望む贅沢な造り。 |
The Cullinan ザ・カリナン | 九龍駅上 West Kowloon | 平均約HK$300,000〜600,000/㎡ | 香港で最も高層(270m超)の住宅タワー。九龍駅直結で空港や中環へのアクセス良好。高層階は天空ラウンジ並みの絶景。付帯施設も充実。 |
The Masterpiece マスターピース | 尖沙咀(チムサーチョイ) K11 Atelier上 | 平均約HK$250,000〜400,000/㎡ | 尖東駅直結、K11 MUSEAショッピングモールに隣接する高級高層マンション。ホテル(Hyatt)も併設の複合施設で、24時間セキュリティやプール、ジムなど設備充実。尖沙咀の都心生活を満喫できる。 |
※上記価格は記事執筆時点での概算です(1HKドル≒17円で円換算)。実際の取引価格は階数・向き・面積によって大きく異なります。また新築分譲時の特別価格や中古市場でのプレミアムもあり得ますので、詳細は最新の不動産情報をご確認ください。



香港島のMount Nicholson(マウント・ニコルソン)は、香港随一の富裕層向け高級住宅街ピークに位置し、その価格水準は他の追随を許さないにゃ。


記録的な高額取引も相次ぎ、まさに「アジアで最も高いマンション」の代名詞です。



アジア最強!!!
〜香港最強マンションシリーズ〜
ヴィクトリア・ピークにある「Mount Nicholson(マウント・ニコルソン)」。「ちょっと夜風に当たってくるわ」と海抜428mの高さから100万ドルの夜景を眺めに行けるロケーション。
売出し価格:
HK$606M(約114億円)
8083 sqft(約750.9㎡)
坪単価:約5,011万円/坪 pic.twitter.com/0v9SR1sLF0— せぶん@🇭🇰HongKong (@sevenpizza01) May 14, 2025
ミッドレベルのOPUS香港は建築美とプライバシー性で知られ、世界的建築家の作品としても注目されています。





OPUS香港に住んだら、毎日リビングの窓から100万ドルの夜景が見えるんだ・・・!!!そんなすごいマンション聞いたことない・・・。


九龍エリアの代表として挙げたザ・カリナンやマスターピースも、日本で言えば六本木ヒルズレジデンスのような存在で、高級ホテル並みの設備と便利さを兼ね備えています。




日本人駐在員にも人気の物件もあり、実際に現地不動産会社の物件紹介ページには日本語で詳細が掲載されていることもあります。
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香港でマンションを購入するには
「香港の物件を買って投資したい」「将来移住も見据えてマンション購入を検討したい」という日本人投資家も多いでしょう。



香港は外国人による不動産購入が原則自由な市場で、名義や資金さえ用意できれば日本人でもマンションを購入できます。ただし、日本とは法律や取引慣習が大きく異なる点があります。ここでは香港マンション購入の重要ポイントを解説します。
土地所有権と契約形態の違い
まず押さえておきたいのは、香港では土地そのものを私有できない点です。香港の土地は全て香港政府が所有し、不動産購入者はその土地に設定された借地権(リースホールド)付き建物の権利を取得する形になります。
例えば分譲マンションを買う場合も、土地の残存借地期間内での区分所有権を手に入れるという契約です。



借地期間はエリアによって異なりますが、一般的に香港島・九龍では2047年(50年契約)やその後に政府が延長する分を含め最長2060年代までなどとなっており、期間満了時には延長料を払って更新する制度です。
このように日本の「所有権(フリーホールド)」とは異なる点は理解しておきましょう。



日本の都心マンションの所有権物件に外国人が殺到する理由がなんとなくわかりますね。
外国人購入の制限と税金は?



スノーベル!日本人でも香港のマンション買えるってことだけど、何か制限とかあるの?



香港は外国人だからといって購入禁止ということはないにゃ。ただし…税金面でハードルがあるんだ。まず通常の印紙税(Stamp Duty)は物件価格に応じて最高4.25%かかるんだけど、香港非居住者(外国人)や2件目以降の購入者には追加で物件価格の15%の『バイヤースタンプデューティー(BSD)』が課されるのにゃ。
つまり外国人が香港で家を買うと合計で物件価格の約20%もの税金を支払う必要があるんだよ。例えば1億円のマンションなら2,000万円が税金に飛ぶ計算にゃ…。これは投機抑制策の一環だから、永住権を取ればBSDは免除されるけど、最初は仕方ないコストと言えるにゃ。



20%も税金!?マジですか…香港で不動産買うなら長期戦覚悟って感じですね。
香港のマンション買って移住ってのもいつかありかなと調べたら外国人は取得時に物件の20%払わなきゃいけない壁があって、取得価格+20%上乗せになると。まぁそうだよねシンガポールもそんな感じだし、と色々調べてたら全く外国人の不動産取得に制限かけてないの世界で日本だけらしくて鬱になった
— せぶん@🇭🇰HongKong (@sevenpizza01) May 14, 2025
再度調べたら2024年に撤廃されてました。ということは自由なのは日本と香港だけ?(笑)
— せぶん@🇭🇰HongKong (@sevenpizza01) May 14, 2025
・BSD/NRSD/SSD → 2024/2/28廃止
・外国人OK、国籍制限ほぼなし
・印紙税(AVD)のみ0.75〜4.25%(例:1億円→約225万円)
・カイタック等、一部区画は30年“永住者限定”注意
「20%追加税」時代は終了。



激動の香港不動産、デモ今なら追加税なしなのである意味チャンスなのかも!
そもそもカイタックの区画が永住者限定になった背景などは以下でまとめています。
30年縛りの背景、
— せぶん@🇭🇰HongKong (@sevenpizza01) May 14, 2025
・2010年前後、住宅価格が爆発的に上昇(約80〜100%上昇)
・本土富裕層が物件を次々購入、「地元の家が奪われている」と反発
・若者は「一生家なんて買えない」と絶望
・社会全体に不満と閉塞感が充満 ・政府への怒りや不信も一気に加速
とありこれって今の日本では・・(震 https://t.co/387Q4SY2wI
物件探しから引き渡しまでの流れ
香港での物件購入プロセスは日本と似ている部分もありますが、契約スピードが早く手付金も高額です。一般的な流れとしては以下の通りです。
香港には日系不動産会社もあり、日本語サポートを受けながら希望条件に合う物件を探せます。気に入った物件があれば購入オファーを出します。
売主と価格交渉がまとまったら臨時売買合約(Provisional Sale and Purchase Agreement)を結びます。この時点で物件価格の**5%前後の手付金(デポジット)**を支払い、契約不履行時は没収されます。
仮契約から1~2週間以内に正式な売買契約を締結し、さらに5~10%の支払いを行います(合計10%〜15%程度が頭金に)
通常、契約から1~2か月後に物件の引き渡しと残代金の支払いを行います。このとき同時に印紙税の納付、登記手続きも完了させます。住宅ローンを利用する場合は銀行手続きも進めます。
住宅ローンについて補足すると、香港ではローン比率(LTV)の規制が厳しく、高額物件ほど頭金割合が大きくなります。



1,000万HKドル超の物件だと50%前後の頭金が必要とも言われ、海外投資家の場合さらに審査が慎重になります。
また金利は変動金利が主流で、短期プライムレートに連動します(執筆時点では高金利傾向)。ローンを組む際は現地銀行の口座開設も求められるため、早めに準備しましょう。
購入時にかかる主な費用
- 印紙税(Stamp Duty): 上述の通り物件価格に対して最大4.25%(初回自宅用途なら軽減税率)、外国人・2件目購入は追加15%のBSD適用。さらに転売時には取得後1年以内15%、3年以内10%、3~5年以内5%の特別印紙税(SSD)が課されるケースもあります。税制は頻繁に変わるため最新情報確認が必要です。
- 不動産仲介手数料: 慣例で売主・買主ともそれぞれ物件価格の1%を仲介会社へ支払います。
- 弁護士費用: 売買契約書の確認や登記手続きを依頼する弁護士費用が必要です(定額または物件価格の0.5%前後)。
- 管理費・修繕積立金: 購入後は毎月のマンション管理費や政府への地代(地価税)支払いも発生します。
以上が購入にあたっての概要です。香港は契約から引き渡しまでわずか数週間というケースも多く、物件探しから資金準備、各種手続きをスピーディーに進める心構えが重要です。
特に外国人にとって高額な税負担はありますが、その分、世界有数の不動産市場にアクセスできるメリットもあります。将来的に香港ドル資産を持つことで通貨分散になる点や、永住権取得(7年居住)を視野に入れるなら早めの物件購入が有利になる可能性も検討するとよいでしょう。
香港の家賃はなぜ高い?驚くべき賃料事情
次に、関連キーワードである「香港の家賃が高い理由」について掘り下げます。香港の賃貸住宅事情は、日本とは比較にならないほど家賃が高額です。その主な理由として、以下のようなポイントが挙げられます。
土地不足と需要過多
香港は東京23区の約半分程度の土地面積に約740万人が暮らす超高密度都市です。
地形的に平地が少なく開発可能な土地が限られているため、住宅は慢性的な供給不足となり、需要超過で家賃が高騰します。特に中心部で働く人ほど利便性を求め狭い部屋でも高い家賃を支払う傾向があります。
富裕層・外国人の存在



香港はアジア有数の金融センターであり、世界中から富裕層や高度人材が集まります。彼らは高額でも質の高い住宅を借りる余力があるため、全体の家賃相場を押し上げます。
外資系企業が社員向け住宅手当を潤沢に出すケースも多く、結果的に相場が高止まりしやすいのです。



たしかに金融の方々はホテル住まいだったりするわね。
政策要因
香港政府は長年「高地価政策」と言われるように土地競売による財政収入を重視してきました。そのため公営住宅供給が追いつかず民間住宅の賃料に下押し圧力がかかりにくい構造があります。



近年は空き家税導入なども検討されていますが、抜本的な改善には至っていません。
物価・通貨の影響
香港ドルは米ドルにペッグ(連動)しており、為替安定と低金利環境が長年続いた結果、不動産への投資マネーが流入しやすかった背景があります。


また所得水準も高く、物価全般が世界トップクラスであることも家賃高止まりの一因です。
具体的な家賃相場の例を挙げると、香港島中心部の平均家賃は1平方フィートあたり約HK$65(月額)にもなります。
これは日本円に換算すると1㎡あたり月約7,000円の計算です。狭小住宅が多いため一戸あたりの面積は小さいものの、それでも香港島の2LDK(50㎡弱)では月HK$30,000~40,000(約50~70万円)が相場です。



東京23区で同程度の家賃となると、超高級マンションのペントハウス級でしょう。一般的な東京の1LDK家賃(15~25万円)とは桁違いです。このように高額でも借り手がいる背景には、上記①~④の要因が複合的に絡み合っています。
家賃が高いにもかかわらず部屋は狭い、古い物件も多いというのも香港の特徴です。ワンルームや「劏房(タンファン)※いわゆる subdivided flats:共同住宅の細切り貸し」など劣悪な環境ですら月数万~十数万ドル台になるケースもあり、一般庶民にとって住宅費の負担は非常に重い社会問題となっています。



それでも多くの人が都心部への通勤利便性や香港でのビジネスチャンスを求め、この高い家賃を受け入れているのにゃ。
モンスターマンションとは?その家賃と魅力
最後に、「香港モンスターマンションの家賃」について触れておきましょう。モンスターマンション(Monster Mansion)とは、香港・鰂魚涌(クオーリーベイ)地区にある巨大な高層住宅団地の愛称です。正式名称を「益昌大廈(Yick Cheong Building)」などといい、5棟からなる密集した建物群がまるで怪物のようだとしてこう呼ばれます。
映画『トランスフォーマー』のロケ地にもなり、その圧巻の光景から観光スポットとして有名になりました 。
この点は詳しく以下の記事で記載しているのでご参考まで。
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『モンスターマンション』って聞いたことあります!SNSで写真見ましたけど、まさに怪獣みたいなマンションですよね。ここって家賃安いんですか?見た目ボロそうだけど…。



にゃはは、見た目は古くて密集してるけど、香港の相場からすると決して激安じゃないんだにゃ。確かに築50年以上経って設備も古いから、高級タワマンに比べれば格安だけど…それでも2部屋のフラットで家賃月HK$12,000前後はするようだよ。日本円で約20万円にゃ!香港では“安い”部類でも、日本の感覚ではこの古さで20万円!?って驚く人が多いはずにゃ



うそ~ん…幽霊が出そうな昭和団地みたいなのに20万円…やっぱ香港ってすごい。
モンスターマンションの典型的な間取りは狭い2DK or 2LDKで面積30~40㎡程度しかありません。
それでも上述のように10万円台後半~20万円程度の賃料が発生します。建物自体は1970年代築でエレベーターや配管なども老朽化していますが、それでも地下鉄駅に近い立地や最低限の広さがあるため地元の中産階級層が実際に生活しています。



「怪獣マンションに住んでみたい」という物好きな外国人がAirbnbで短期滞在したりする例もありますが、住環境としては決して快適とは言えません。
しかしこのような物件ですら空室率は低く、常に一定の需要があります。モンスターマンションの家賃相場は香港全体の住宅事情を象徴するエピソードと言えるでしょう。


まとめ
香港のマンション価格は、高級物件を中心に世界最高水準で推移してきました。近年は調整局面にありますが、それでも日本や他の都市と比べれば非常に高額である点に変わりはありません。
限られた土地に人口と資本が集中する香港では、住宅価格・家賃が高い理由も構造的であり、簡単には解消しないでしょう。



一方で、下落局面とはいえ香港不動産は長期的に見れば堅調な価値を維持してきた歴史があります。実際、1997年の香港返還前後や2008年の金融危機時にも一時的に価格は下がりましたが、その後見事に持ち直し史上最高値を更新してきました。
この香港マーケットの強さは魅力的であり、日本人投資家にとっても分散投資先・居住先として検討する価値があります。



香港への移住や不動産投資を考える読者の皆さんは、本記事で紹介した価格動向グラフや有名物件の比較、購入時のポイントを参考に、ぜひ最新情報の収集と綿密な計画を行ってください。
為替リスクや税制の違いなど乗り越えるハードルはありますが、それを補って余りある国際都市・香港の活力があなたを待っています。




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