香港に住む日本人駐在員や留学生、ビジネスマンの皆さんにとって、現地での支払いをスムーズにする「最適なクレジットカード」は重要なアイテムです。
本記事では、香港の日常生活でクレジットカードがどのように使われているか、主要カードブランド(Visa、Mastercard、JCB、American Express)の使いやすさ比較、HSBCなど現地銀行発行カードの特徴、外国人向けカードの申し込み方法、さらにANAやJALのマイル・ポイントを効率よく貯められるカードの紹介まで、現地事情に即した実用的な情報を網羅します。

読めば、香港でのキャッシュレス生活に自信を持って臨めることでしょう!
香港の日常生活におけるクレジットカード利用シーン
香港ではクレジットカードが幅広い場面で利用可能であり、日常決済でも大きな役割を果たしています。



特にショッピングモール、スーパー、レストラン、ホテル、オンライン決済などではVisaやMastercardを中心にカード払いが一般的です。一方で少額の支払い、ローカルな屋台・市場などでは現金が好まれるケースも残っているにゃ。
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香港独自の電子マネー「Octopus(オクトパス、八達通)」も普及しており、交通機関やコンビニ、ファストフード店ではオクトパスでのタッチ決済が非常に多い状況です。



例えばMTR(地下鉄)やバスの乗車、コンビニでの少額決済ではオクトパスが素早く便利なため、多くの人が利用しています。そのため日常生活では「クレジットカード+オクトパス+現金少々」という組み合わせで支払いに臨むのが典型的です。
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- ショッピング・食事: 大型スーパー(ParknShopやWellcomeなど)やデパート、チェーンの飲食店ではクレジットカードがほぼ問題なく使えます。会計時に「Credit card, OK?(クレジットカード使えますか?)」と確認すれば、Visa/Mastercardで支払える店が大半です。高級レストランやホテルではAmerican Express(アメックス)も含め広く受け入れられています。ただし小規模なローカル食堂や市場の屋台では「現金のみ」だったり、カード利用に最低利用額(例:HK$100以上)を設定している場合もあります。
- 公共料金・通信費: 電気代やガス代、スマートフォンの料金支払いはオンライン決済や自動引き落としでカード払い可能です。ただし、家賃支払いなど一部は銀行振込や小切手が一般的で、カードが使えない場合もあります。
- オンラインショッピング: 香港ではネット通販やフードデリバリーも盛んで、Visa/Mastercardなどのクレジットカード決済が主流です。海外通販(日本の通販サイト利用など)の際も香港発行のカードなら通貨換算手数料のみで利用できます。
- その他サービス: タクシーは以前は現金主体でしたが、最近ではクレジットカード対応や電子決済対応の車両も増えています。また病院やクリニック、役所関係の支払いではクレジットカード不可で現金かEPS(デビットカードのような銀行決済)という場合もあるので要注意です。



香港全体としては「クレジットカードは日常的に使えるが、小額や特殊な場面ではオクトパスや現金も必要」というバランスです。


特にオクトパスは交通・コンビニ・一部飲食で強みを持つため、高額や計画的な支出はカード、日々の細かい支出はオクトパスと使い分けると良いでしょう。
香港のタッチ決済・スマホ決済最新事情
香港ではここ数年でコンタクトレス決済(タッチ決済)とスマホ決済が急速に普及しました。



主要なクレジットカードはすべてICチップとNFC(非接触通信)機能を備えており、カードを端末にタッチするだけで支払い完了する店舗が増えているにゃ。
また、Apple PayやGoogle Payといったスマートフォンのウォレットにカードを登録し、スマホやスマートウォッチでピッと支払う人も多く見られます。
香港MTRの「ライトブルーの改札機」でクレジットカードのタッチ決済を利用する様子が見られるように、2023年末から香港の地下鉄(MTR)ではVisaやMastercardのタッチ決済対応改札機が導入され、2024年8月からはVisa・Mastercard・UnionPayのコンタクトレス対応カードで地下鉄に直接乗車できるようになりました。
これにより、オクトパスを持っていなくても対応するクレジットカードやスマホ(Apple Payなど)で改札を通れるなど、交通機関でもカードが活躍する場面が広がっています。
- Apple Pay / Google Pay: HSBCやStandard Charteredなど香港の主要銀行発行カードはほとんどApple Pay/Google Payに対応しており、スマホやApple Watchでの支払いが可能です。お店側もNFCリーダー搭載端末が普及しているため、「携帯で支払います」と伝えてスマホをかざせばクレジットカードと同様に処理されます。サイン不要・暗証番号不要でHK$1000程度までの決済がワンタッチででき、スピーディーです。
- コンタクトレス(NFC)カード: Visaの「payWave」やMastercardの「Contactless(旧PayPass)」など、カード自体をかざして決済できる方式が主流です。スーパーやドラッグストア、ファストフード店など、大半のカード対応店でタッチ決済が利用できます。近年はCOVID-19以降の非接触志向もあり、店員から積極的に「Tap or insert?(タップしますか?)」と聞かれるほど定着しました。
- QRコード決済: 中国本土発のAlipay(支付宝)やWeChat Pay(微信支付)も香港で使える店舗が増えています。観光客向けにこれらにVisa/Mastercardを紐付けて使えるサービスも開始され、外国人でもアプリを使って支払うことが可能になりました。もっとも、これらは主に本土観光客や中国系店舗向けで、一般の香港生活ではApple Payなどカード由来の決済の方が馴染みやすいでしょう。また香港政府主導のFPS(高速決済システム)という銀行間の瞬時決済サービスもありますが、こちらはクレジットカードではなく銀行口座に紐づくため、範囲が異なります。



スマホ決済全般への対応状況は良好で、「カードを持ち歩かずスマホだけ」で生活することも現実的になってきました。ただし、電池切れなどのリスクも考え、カード現物は携帯しておくと安心です。
特にタッチ決済は香港のキャッシュレス化をさらに押し上げており、旅行者のみならず現地在住者にとっても日常の風景となっています。
主要カードブランド(Visa・Mastercard・JCB・Amex)の使いやすさ比較
香港で使えるクレジットカードの国際ブランドとしては、Visa(ビザ)とMastercard(マスターカード)が圧倒的なシェアを持ちます。
次いでAmerican Express(アメリカン・エキスプレス、Amex)、中国銀聯(UnionPay)、そしてJCBが追随する形です。それぞれの使いやすさや特徴を比較してみましょう。
ブランド | 香港での加盟店数・受け入れ | 主な特徴・メリット | 留意点 |
---|---|---|---|
Visa / Mastercard | ★★★★★(ほぼ全域で利用可) | 世界標準のブランド。香港でもカード払い対応店の大半で利用可能。選べるカード種類も最多。 | ブランドによる違いはほぼ無し。どちらか1枚は必携。 |
JCB | ★★☆☆☆(一部店舗のみ) | 日本発の国際ブランド。香港では大手デパートや日系ショップ、免税店などで対応。JCBプラザなど日本人向けサービスも利用可。 | 中小店舗では非対応が多い。メインカードには不向きで、Visa/MCの予備として持つのが無難。 |
American Express (Amex) | ★★★☆☆(中~高級店で利用可) | 富裕層向けサービスや旅行保険など付帯特典が充実。ホテルや高級レストランでの利用率高。 | 中小規模の店では利用不可か場合によっては手数料転嫁(利用時に数%上乗せ)あり。香港ではAmex未対応店舗も多い。 |
- Visa / Mastercard: 香港で最も使い勝手が良い二大ブランドです。普段使いの店から公共料金のオンライン支払いまで、VisaかMastercardで困ることはほぼありません。香港の銀行が発行するカードの多くはVisaかMastercardを採用しており、申し込み時にどちらかを選べることもあります。両ブランド間で利用可能店舗の差はなく、どちらでも大差ありません。日本からの渡航者が持つカードも多くがVisa/MCなので、そのまま現地で問題なく使えるでしょう。
- JCB: 日本人にはお馴染みのJCBですが、香港では対応店舗が限定的です。具体的にはSOGOやDFSなどのデパート、日系スーパー・飲食店、一部の観光客向け店舗では使えますが、ローカルの店や小売店ではまず使えません。一方でJCBカード会員向けに香港旅行で使えるクーポンやラウンジサービス(JCBプラザ香港)などの優待が提供されている場合があります。日本発行のJCBカードをお持ちなら、高級店など対応する場面で使うことは可能ですが、日常の決済手段としてはVisa/MCの補助と考えた方がよいでしょう。
- American Express (Amex): Amexは香港ではステータスカードの位置付けで、富裕層や出張者が使うイメージです。実際、五つ星ホテルや高級レストラン、航空券の決済などではAmexが歓迎され、空港ラウンジや旅行保険など付帯サービスも魅力です。しかし加盟店手数料が他ブランドより高いことから、中小のお店やタクシーでは使えないことが少なくありません。「Amexが使える=一流店の証」的な風潮もあり、カジュアルな飲食店やローカルスーパーでは使えない場合があるので注意してください。「基本はVisa/MC、Amexはサブ」と考える日本人在住者も多いです。
- 中国銀聯(UnionPay): 日本では馴染み薄いですが、中国本土や香港では発行枚数が多いブランドです。香港の銀行発行カードでもUnionPay単体やVisa/MCとダブルブランドになっていることがあります。中国本土やマカオ旅行で強みを発揮しますが、国際的なオンライン決済などでは対応が限定されるため、日本人にとっては優先度が低いでしょう。ただ香港内ではUnionPayしか使えない店舗はほぼ無いため(Visa/MCに対応していればOKな場合が多い)、無理に選ぶ必要はありません。
以上のように、香港生活ではVisaかMastercardをメインカードとして選び、必要に応じてAmexやJCBをサブカードで持つ組み合わせがおすすめです。



特に日本人の場合、日本で作ったJCBカードやAmexカードをそのまま香港でも使えますが、現地のVisa/MCカードを1枚作っておくと最も安心と言えるにゃ。
香港の銀行発行クレジットカードの特徴(HSBCなど)
香港では多くの銀行がクレジットカードを発行しており、それぞれ独自の特典プログラムを提供しています。
特に有名なのがHSBC(香港上海銀行)で、香港最大手の銀行として外国人にも口座開設・カード取得で人気です。他にもスタンダードチャータード銀行、シティバンク、恒生銀行、DBS銀行、中国銀行(香港)などが主要なカード発行元です。
それぞれの特徴や人気カードを押さえておきましょう。
HSBC(香港上海銀行)
香港で最大の支店網を持ち、外国人顧客も多い銀行です。HSBCのクレジットカードは「RewardCash」という独自ポイント(1ポイント=HK$1相当の価値)でキャッシュバックやマイル交換が可能です。
代表的なカードにHSBC Red Credit Cardがあります。年会費無料でオンラインショッピングや海外利用に強く、オンライン支出に対して最大4%相当のポイント還元(HK$10,000までは4%、それ以降は1%)が得られます。



日常の買い物やネット通販でポイントが貯めやすく、日本のAmazonや楽天市場の利用でも活躍します。
またHSBCはポイントを提携マイレージに交換でき、Asia Milesやシンガポール航空KrisFlyerなど15以上の航空会社・ホテルのプログラムに転換可能。
特に自社のEveryMileカードではHK$2=1マイル相当という効率でマイル変換できる優遇があり、トラベラーに人気です。



総じてHSBCはバランスの良い還元とグローバルな使い勝手が魅力です。
Standard Chartered(渣打銀行)
イギリス系の渣打銀行は、香港でユニークなカードを提供しています。
中でも注目はStandard Chartered Smart Credit Cardで、香港では珍しく海外利用時の外貨取扱手数料が一切かからないカードです。通常、香港発行カードで海外や外貨決済をすると約1.95%の手数料がかかりますが、SCB Smartは0%なので、日本への一時帰国や海外旅行が多い方に最適です。



さらに年会費無料で一部カテゴリで5%キャッシュバックもあり、「コスパ最強の旅カード」として知られています。
また渣打銀行はCathay(旧Asia Miles)提携カードも発行しており、Standard Chartered Cathay Mastercardでは日常の支出で直接Cathay(キャセイ航空)マイルを獲得可能です。
例えばHK$5〜6の利用毎に1マイル(利用内容により変動)が貯まり、加入特典で最大60,000マイルが付与されるなど、飛行機のマイルを貯めたい人向けのリワードが充実しています。渣打は外国人でもオンラインで比較的申し込みやすい銀行の一つです。
Citibank(花旗銀行)
シティバンクは外資系として富裕層向けサービスが多いですが、クレジットカードも多彩です。一般消費者向けにはCiti Cash Back Cardが人気で、上限なしのキャッシュバック(食事やホテル・外貨支出で2%、その他1%)が魅力です。



一方、トラベル派にはCiti PremierMiles / Prestigeカードがあり、こちらは年収要件が高めですが世界中のラウンジアクセスや旅行特典が豊富です。
シティのポイント(ThankYouポイント)は用途が幅広く、提携航空会社のマイル移行も可能なので、マイル派にも支持されています。シティバンクは口座開設も厳しめですが、カード単体ならオンライン申し込みで審査を受けることもできます。
Hang Seng(恒生銀行)
HSBC傘下の恒生銀行は、ローカル向けサービスが手厚いです。クレジットカードも生活密着型の特典が多く、例えばスーパーParknShopや百貨店で割引が受けられる「enJoyカード」、映画館や飲食店の割引がある「Affinitiyカード(大学提携カード)」などがあります。



恒生は学生向けカードにも力を入れており、大学の在学生なら収入無しでも申し込める学生カードを各種提供しているにゃ。
ローカル色が強いため日本人にはハードルがあるかもしれませんが、香港長期滞在で現地密着の特典を求めるなら検討の価値があります。
その他の銀行
DBS銀行(星展銀行、旧香港道亨銀行)はシンガポール系で、カード利用額に応じて抽選で景品が当たるキャンペーンや高キャッシュバック率のDBS Eminent Card(指定カテゴリーで5%還元)などを展開しています。



中国銀行(BOC)香港支店は中国本土旅行者向けのUnionPay/JCBカードも発行しており、銀聯カードで人民元と香港ドルの両方が使える「デュアル通貨カード」など独自色があります。
ただ、中国系銀行は口座開設や審査で中国語対応が必要な場合も多く、日本人にはやや難易度が高いかもしれません。



以上のように、香港の銀行発行カードは各社ごとに強みが異なるため、自分のニーズ(キャッシュバック重視かマイル重視か、年会費無料が良いか等)に合わせて選ぶと良いでしょう。
駐在員や留学生にはHSBCやStandard Chartered、Citibankなど英語対応がしっかりしている大手が人気ですが、香港に慣れてきたら恒生やDBSなどのカードでローカルな特典を享受するのも一案です。
日本人駐在員・留学生向け:カード申込みの条件と必要書類
香港でクレジットカードを作るにあたり、必要な書類や申請条件は日本と似ていますが、外国人の場合いくつか注意点があります。
以下に一般的な必要書類とハードル、そして駐在員や留学生でも作りやすいカードについて解説します。
基本的な申請条件
香港では原則として18歳以上であることがクレジットカード申請の最低条件です。また香港居住者(香港ID所持者)である必要があります。留学生や就労ビザで滞在の場合も、入境後に取得する香港IDカード(非永久居民ID)で問題ありません。
ただし永住権の無い外国人は、申請時に「パスポート(旅券)のコピー」も併せて提出を求められることがあります。つまり香港ID+パスポートの両方を提示して本人確認をする形です。
必要書類:一般的に以下の書類が求められます。
- 身分証明書(香港IDカード、外国人は加えてパスポートコピー)現住所証明(直近3~6ヶ月の公共料金請求書や銀行取引明細。電子版でも可)収入証明(勤務先の給与明細や給与振込が記載された銀行口座残高証明、納税通知書など)



大手企業の駐在員で給与振込先が香港にある場合は、銀行残高証明や給与明細を提出すればOKです。
初任給前の新卒赴任者などは、勤務先からの雇用契約書(オファーレター)で年収や契約期間を示すことでも対応できます。また一般に年収の目安として、ベーシックなカードでは年収HK$100,000以上(約170万円)、ゴールド/プラチナカードではHK$150,000~HK$300,000以上というラインが設定されています。
例えばHSBC Redカードは年収12万HKドル以上かつ香港に9ヶ月以上雇用予定であることが条件です。
留学生の場合
香港の大学に留学している場合、アルバイト等で収入がなくてもクレジットカードを作れるケースがあります。
HSBCや恒生銀行では特定の大学生向け学生クレジットカードを提供しており、学生証や入学許可証を提出することで審査されます。例えばHSBCのVisa Gold学生カードは、香港の指定大学に在籍中であれば収入証明不要で申し込め、追加カードやオーバーリミット(限度額超過)は不可など制限付きながらも、一人前のクレジットヒストリーを築けます。
学生カードの限度額は低め(例えばHK$10,000程度)に抑えられますが、親の同意や保証人不要で発行されるのが一般的です。留学生の方はまず学生カードにトライし、卒業後に一般カードに切り替えるとスムーズでしょう。
駐在員・就労者の場合
就労ビザで来ている駐在員や現地採用の方は、渡航後早めに銀行口座を開設し、その銀行のカード申請をするのが近道です。
給与振込口座のある銀行なら信用度が高く、ウェブやモバイルアプリからスピーディーに申し込めます。特にHSBCやStandard Charteredは外国人顧客データが豊富で、英語の在職証明書や日本の納税証明なども理解して審査してくれる傾向があります。
また勤務先企業が大手の場合や、役職付きである場合は優遇されることもあります。カード発行までの期間は平均1~2週間です。
ノンバンク系・フィンテック系カード
近年、香港ではデジタルバンク発行のクレジットカードも注目されています。



例えばStandard Charteredが出資するMox Bankのクレジットカードは、収入証明不要・オンライン申込のみで即日発行されるバーチャルカードです。
口座開設後すぐにカードが作れ、審査も自動化されているため、留学生や主婦(無職)でも比較的取得しやすいことで人気です。
Moxカードは年会費無料・遅延損害金なしで使いすぎ防止機能もあり、限度額は口座の状況に応じて増えていく仕組みです。
このような新興のカード発行サービスを活用することで、従来の銀行で審査が通りにくかった外国人でもクレジットカードを手にすることが可能になっています。
まとめると、香港でクレジットカードを作る際は、まず必要書類(ID・住所・収入)を揃え、自分の身分(学生か社会人か)に合ったカードに申し込むことが大切です。駐在員なら給与口座のある銀行で、収入要件を満たすカードを。留学生なら学生カードやフィンテック系カードを検討しましょう。審査に通りやすいか不安な場合、最初は年会費無料でハードルの低いカードから始め、クレジットヒストリーを積んでいくのもひとつの戦略です。
マイル・ポイント重視派におすすめのカード(ANA・JALマイルを貯めるには)
日本人にとってANA(全日空)やJAL(日本航空)のマイルを貯めたいニーズは大きいですが、香港発行のカードでこれら日本のマイルを直接貯める選択肢は限られます。



とはいえ間接的な方法や他社マイルへの交換を駆使すれば、香港在住中でも日本のマイル・ポイントを効率よく貯めることが可能にゃ。
ここではマイル・ポイント派におすすめのカードと、その活用法を紹介します。
Standard Chartered Cathay Mastercard(キャセイ提携カード)
前述の渣打銀行発行、通称「Cathayカード」は、香港でマイルを貯める定番です。利用額に応じて自動的にCathay(旧Asia Miles)のマイルが貯まります。このCathayマイルは香港のキャセイパシフィック航空のマイレージですが、JALと同じワンワールドに属するためJAL特典航空券にも交換可能です。
例えばCathayマイルを使ってJALの国内線や国際線特典航空券を予約することができます(必要マイル数は路線により異なる)。



Standard Chartered Cathay Mastercardは初年度無料・翌年以降年会費HK$2,000ですが、初回入会ボーナスで最大60,000マイル獲得チャンスがあり、日常利用でも海外支出ではHK$2=1マイル、現地支出でもHK$6=1マイル程度のペースでどんどん貯まります。
またカードランクに応じてキャセイのラウンジ利用や優先搭乗といった上級会員さながらの特典もあります。JALマイラーの方には、このCathayマイルをJAL便で消化する戦略が有効でしょう。
AEON Card(イオンカード)
香港における数少ないJALマイル直接提携カードです。日系のイオンクレジットサービスが発行するカードで、利用額に応じてイオンのポイント(優賞積分)が貯まり、それをJALマイレージバンクのマイルに交換可能です。



公式には「4,500 AEONボーナスポイント=JAL 100マイル」のレートで移行できます。還元率に換算するとやや低めですが、確実にJALマイルに移せるルートとして重宝します。
イオンカードは年会費無料で即日発行サービスもあり、毎月2日・20日にイオン系列店で5%オフなど日本人に嬉しい特典もあります。特に日本に頻繁に帰国する方や、香港でも日系スーパー(イオン)を利用する方には一石二鳥のカードです。
種類としてはVisaやMastercardブランドのものや、オンラインショッピング特化の「AEON Card WAKUWAKU」などがありますが、いずれもポイントをJALに合算できます。
HSBC EveryMile Card(エブリマイル)
HSBCがマイル獲得に特化して発行するカードで、15以上の航空会社のマイル/ポイントに交換可能なのが最大の特徴です。



ANAマイル直接の提携はありませんが、例えばシンガポール航空のKrisFlyerマイルや英国航空のAviosなどに交換できます。
ANAはスターアライアンス加盟ですので、KrisFlyerマイルを使ってANA特典航空券を予約するといった裏技が可能です(必要マイル数は提携チャートに基づく)。



EveryMileカードではHK$2の利用につき1マイル相当という高効率でポイントが貯まり、それをアプリ上で瞬時に好きなマイルに転換できます。
年会費はHK$2000程度かかりますが、旅行保険や空港ラウンジサービスも含まれており、とにかく様々なマイルを柔軟に貯めたい上級トラベラー向けと言えます。
American Express(Membership Rewards)
アメックスのプロプライエタリーカード(例:アメックス・ゴールド、プラチナ)を香港で取得した場合、アメックスのメンバーシップ・リワードというポイントが貯まります。



香港のアメックスでは提携航空会社としてAsia Miles(キャセイ)やAvios(ブリティッシュ・エア)、Delta(スカイマイル)、Emirates(エミレーツ航空)などがあり、ポイントをそれぞれのマイルに1:1で移行でるにゃ。
残念ながらJALやANAの提携はありませんが、Aviosに交換してJAL国内線に使う、Asia MilesにしてJAL国際線に使うといった間接的な活用ができます。アメックス・プラチナなどは年会費も非常に高額ですが、出張や接待の多いビジネスマンなら検討の価値があるでしょう。
以上のカード以外にも、例えばシティバンクのPrestigeカードは独自ポイントを多数の航空マイルに移行可能で、こちらもJAL/ANAへの間接的な活用ができます。



一方、どうしても直接ANAマイルを貯めたい場合は、日本発行のANAカードを引き続き香港で使い続ける方法もあります。
しかし日本のカードで香港ドル決済をすると為替手数料が1.6%前後かかる上、一部加盟店では「Dynamic Currency Conversion(現地通貨か円建てか選ぶ方式)」で不利なレート適用をされるリスクもあります。
従って基本は香港発行カードで日常支払いを行い、マイルは現地で貯まるものを駆使して日本のフライトに交換するのが効率的です。



ポイント還元重視の方で飛行機に乗らない場合は、単純にキャッシュバック率の高いカード(例:シティの無制限キャッシュバックカードで一律1~2%還元)を選ぶ方が利益が大きいでしょうにゃ。
一方で将来の日本帰国や一時帰国でビジネスクラス搭乗を狙う方は、ぜひ香港のマイル系カードを駆使してみてください。香港在住だからこそ得られるマイルのチャンスを活かし、賢くポイント生活を送りましょう。
香港のクレジットカード事情(会話形式)
最後に、架空の日本人駐在員LISAさん(香港赴任1ヶ月目)と先輩駐在員スノーベルさん(香港在住5年目)の会話を通じて、香港のクレジットカード事情を整理してみましょう。



香港に来てみて思ったんですが、日常の支払いって現金とカードどっちが主流なんでしょう?オクトパスもあるし、クレジットカードはいらない気もして……。



確かにオクトパスは便利ですが、クレジットカードもかなり使えますよ。スーパーやレストランはもちろん、最近は地下鉄やバスもカードで乗れますからね。オクトパスは小額決済向きで、カードは大きな買い物やオンライン決済に強いという感じです。



なるほど…。ところで日本から持ってきたJCBカードがあるんですが、香港でも使えますか?



JCBは使える店が限られるので注意です。例えばSOGOとか日本食材店ではOKですが、ローカルの食堂やタクシーではまず無理です。VisaかMastercardをメインにしましょう。
日本のカードでもVisa/MCなら問題なく使えますが、為替手数料(だいたい1.5~2%)がかかるので、できれば香港発行のVisa/MCカードを作った方が手数料分お得ですよ。



香港でカードを作る…ハードル高そうですね。収入証明とか必要なんですか?



基本必要です。香港IDを取ったら、銀行で給与口座を開設して、その銀行のカードに申し込むのが定石ですね。例えばHSBCなら月収1万HKドル以上あれば一般カードが狙えます。
提出書類は香港IDと住所証明、それに給与明細か雇用契約書かな。あと非永久居民だからパスポートのコピーも一緒に出しましたよ、私は。



結構ちゃんとしてるんですね…。自分は駐在で一応それなりの収入はありますが、妻は無職なんです。妻名義のカードも作れますか?



主婦(Non-working group)でも大丈夫。例えば配偶者のあなたが口座を持っている銀行で、定期預金の残高証明を添付すれば審査してくれます。香港では預金や資産があれば与信の助けになります。
あるいは最近流行りのMox Bankなら収入証明不要なので、奥さんでもスマホで申し込めば仮想クレジットカードが発行できます。



おお、それは安心。ところで自分はマイルを貯めたい派なんですが、JALのマイルを香港で貯めるのは難しいですか?



直接JALマイルが貯まるカードはイオンカードくらいですね。ただCathayマイルを貯めてJALに乗る手もありますよ。
僕は渣打のCathay Mastercardを使ってて、キャセイのマイルをJALの特典航空券に使ったりしてます。あとHSBCのポイントをシンガポール航空のマイルに換えてANA便に乗った人もいますよ。



なるほど、アライアンスを活用するんですね…。最後に、香港で1枚おすすめのカードを選ぶとしたら何でしょう?



難しいけど、HSBCのRedカードとかStandard CharteredのSmartカードは汎用性高いですかね。HSBC Redはネットショッピングで4%還元とお得ですし、SCB Smartは海外手数料ゼロで日本出張時にも強い。
あなたの生活スタイルによりますが、まず年会費無料のカードから始めると良いですよ。使いながら自分に合うカードを見つけていきましょう!
まとめ
香港におけるクレジットカード事情を、日本人駐在員・留学生の視点で詳しく解説しました。日常生活でのカード活用シーンから主要ブランドの比較、現地発行カードの特徴、申し込み方法や必要書類、そしてマイル・ポイントの貯め方まで、幅広い情報をカバーしています。
香港ではクレジットカードが非常に便利である一方、オクトパスや現金との使い分けも重要です。Visa/Mastercardを中心に揃え、JCBやAmexもシーンに応じて活用しましょう。
また、駐在員や留学生でも取得しやすいカードやサービス(学生カードやデジタルバンク)を活用すれば、渡航直後からスムーズにキャッシュレス生活を送ることができます。
ぜひ本記事を参考に、自分のニーズに合った最適な一枚を見つけてください。香港でのクレジットカード活用が、皆さんの生活をより快適でお得なものにしてくれることを願っています!